WISC-Ⅴとは

お子さまが学校の勉強についていけなかったり、指示を覚えられずに困っていることはありませんか?
WISC‑Ⅴ(ウィスク・ファイブ)は、心理学者デビッド・ウェクスラーが開発した児童向けの知能検査で、 5歳0か月から16歳11か月までの子どもを対象とし、認知能力を多面的に評価することを目的としています。最新の第5版(WISC‑Ⅴ)は2014年に公表され、検査時間は約45〜65分です。 検査は言語理解視覚空間流動性推理ワーキングメモリー処理速度の5つの指標からなる10の主要下位検査によって構成され、総合的なIQ(FSIQ)に加え、得意・不得意のプロフィールを詳しく知ることができます。

WISC-Ⅴ検査イメージ
目次
概要・注意事項

この検査では、上記の5つの指標を通じてお子さまの認知能力を多面的に測定し、全検査IQと各群指数を算出します。各指数は100を平均とする偏差値で示され、個々の強みや課題を理解するのに役立ちます。検査を作成した出版社の方針により、下位検査ごとの詳細な数値は被検者には開示いたしませんのでご了承ください。

WISC‑Ⅴ単独では発達障害や知的障害の診断はできません。心理検査は医師の診断の補助として使用され、他の精神科・心療内科に通院中の方でも受検可能です。検査結果は書類としてお渡しできますので、普段の通院先でご活用ください。

対象年齢は5歳0か月~16歳11か月です。16歳以上の方にはWAIS‑Ⅳをご案内いたします。特に16歳0か月から16歳11か月の方はWISC‑ⅤとWAIS‑Ⅳのいずれの検査も受けることができます。

こんな時にご相談ください

以下に当てはまる場合はWISC‑Ⅴの受検をご検討ください。

✅ 学習に遅れがみられる

算数や読み書きが苦手、授業の理解に時間がかかるなど、学習面での困りごとが続く場合。

✅ 発達障害・知的障害の可能性を知りたい

診断の参考として知能検査を利用したい場合。医師の診断と合わせて検査を行います。

✅ お子さまの得意・不得意を把握したい

学習支援や受験対策のために、認知特性や強み・弱みを理解したい場合。

✅ ギフテッドかどうかを知りたい

知的才能が突出しているかどうかを確認し、適切な教育環境を検討したい場合。

✅ ADHDや自閉スペクトラム症などが疑われる

集中や注意力の低下、コミュニケーションの困難さが見られる場合。検査は診断の一助になります。

✅ 他院で検査が実施されない

現在通院中の医療機関でWISC‑Ⅴが実施されていない場合に当院で検査のみ受けることができます。

👉 他院に通院中の方でも検査を受けられます。検査結果は書類でお渡ししますので、通院先の先生にお渡しください。


活用方法と支援策

WISC‑Ⅴは、お子さまの学習支援臨床心理の現場で幅広く活用されています。このセクションでは、教育分野と臨床心理学における具体的な応用例と、検査の利点、さらに結果を活かした支援方法をご紹介します。

🎓 教育分野での活用

  • 学習の困難を発見: 作動記憶や処理速度など特定の認知領域の弱点を明らかにし、読み書きや計算のつまずきに対する支援計画の立案に役立ちます。
  • 才能の発見と育成: 高い知能や特定の認知スキルをもつ児童を識別し、適切なプログラムで潜在能力を伸ばすことができます。
  • 支援効果の測定: 教育的支援や介入後に再度検査を行うことで、認知能力の変化を定量的に把握し、指導方針の調整に役立てます。

🧠 臨床心理学での活用

  • 神経発達症の評価: 自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症(ADHD)などを抱えるお子さまの認知プロフィールを詳細に評価し、適切な治療や支援につなげます。
  • 心理的問題のスクリーニング: 情緒不安定や行動問題がみられる場合に潜在的な認知の課題を明らかにし、カウンセリングや心理療法の計画に活用します。

🌟 WISC‑Ⅴの利点

WISC‑Ⅴは単一の数値ではなく、言語理解視覚空間流動性推理ワーキングメモリー処理速度の各指標から構成される詳細なプロフィールを提供します。この多角的な評価により、お子さま一人ひとりの具体的なニーズに応じた教育や支援を計画し、潜在能力を最大限に引き出すことができます。

🛠 結果に基づく支援策

  • 教育支援: ワーキングメモリーの得点が低いお子さまには情報を小分けに提示するなど、認知の弱点に合わせた学習技術やリソースを提供します。
  • 特別支援教育の検討: 学習障害が疑われる場合には、読解力や数学の基礎を強化する特別なプログラムを通じて支援を行います。
  • 心理的・行動的介入: 検査結果や発達障害のスクリーニングを踏まえ、社会的スキルや感情の調整を目的としたカウンセリングや心理療法を行います。
  • 家庭での支援: 保護者が結果を理解することで、日常の学習環境を整えたり、パズルや読み聞かせを取り入れるなど、家庭でも楽しみながら能力を伸ばす工夫が可能です。
検査で把握できること

WISC‑Ⅴは、16個の下位検査(10個の基本検査と6個の補助検査)から構成され、これらの下位検査の標準得点を合計して換算することで全検査IQ5つの群指数言語理解視覚空間流動性推理ワーキングメモリー処理速度)が算出されます。各指標は100を平均として標準化されています。
※“上位”検査があるわけではございません。
※各下位検査の詳細な結果は、検査を作成した出版社の方針により被検者様には開示いたしませんのでご了承下さい。

IQスコアの分布(WISC‑Ⅴ)(Wechsler IQ分類)

スコア範囲分類(割合)
130以上きわめて高い(全体の 2.2%)
120〜129とても高い(全体の 6.7%)
110〜119平均の上 (全体の16.1%)
90〜109平均   (全体の50.0%)
80〜89平均の下 (全体の16.1%)
70〜79とても低い(全体の 6.7%)
69以下きわめて低い(全体の 2.2%)

知的障害の程度の判定基準『ICD-10(国際疾病分類 第10版)』 [世界保健機関(WHO)]

知能指数分類
51〜70軽度知的障害
36〜50中度知的障害
21〜35重度知的障害
20以下最重度知的障害
全検査IQ(FSIQ)

全検査IQは、WISC‑Ⅴで測定した5つの群指数を総合して算出される指標で、お子さまの全般的な知的能力を示します。同じFSIQでも群指数のバランスに差がある場合、学習や生活の様子に大きな違いが現れるため、内訳を合わせて評価することが大切です。

✅ スコアが高い方

全検査IQが130以上の場合、先天的に高い知能や学習能力、秀でた才能を持つことが示されます。このような子どもは抽象的な概念を素早く理解し、学習面で大きなポテンシャルを有することが多いため、個性や能力を伸ばせる環境が重要です。

⚠️ スコアが低い方

全検査IQが平均より低い場合、学習や新しい情報の処理に時間がかかることがあります。具体的かつ段階的な説明や視覚的なサポートを用いることで理解を助けることができます。また、FSIQが低いからといって全ての能力が低いわけではなく、各群指数の中に得意分野が隠れていることも多いので、強みを活かす支援が大切です。

FSIQはおおよそ40〜160の範囲で評価され、100を平均とします。高いFSIQは幅広い認知機能がバランスよく高いことを示し、問題解決力や学習適応力が高い傾向があります。逆にFSIQが低くても他の群指数が高い場合には、その強みを活かした学習支援が効果的です。

言語理解(VCI)

語彙や言語概念を理解し、言葉で説明する力を測る指標です。VCIは類似語彙などの下位検査から算出され、言葉による推理や概念形成能力を反映します。

✅ スコアが高い方

語彙力が豊富で、言葉を使って説明したり、概念をまとめたりすることが得意です。読解力や文章表現力にも優れ、学校での学習成績が良い傾向があります。抽象的な社会的ルールや慣用表現を理解するのも得意です。

⚠️ スコアが低い方

語彙の理解や表現が難しく、指示された内容を言葉だけで理解することが苦手な場合があります。絵や図を使って具体的に説明したり、短い文で区切って確認しながら進めることで理解しやすくなります。読書量を増やしたり、対話を通じて語彙を広げることも有効です。

下位検査
類似2語の共通点を答える
語彙語の意味を説明する
一般知識日常知識を問う
理解社会的な質問に答える

VCIが高いほど語彙・表現・概念理解の力が高く、読解やコミュニケーションが得意な傾向が見られます。一方VCIが低い場合でも、他の指数で強みがあれば学習上の工夫によって能力を引き出すことができます。

視覚空間(VSI)

視覚的な刺激を分析・統合し、空間的に考える力を測る指標です。VSIは積木模様視覚パズルから算出され、視覚空間処理の能力を示します。

✅ スコアが高い方

形や空間を把握する力が高く、ブロックやパズルを素早く組み立てたり、図形問題や模型作りが得意です。美術・建築・数学など視覚的な思考を必要とする活動で才能を発揮しやすい傾向があります。

⚠️ スコアが低い方

図や表の読み取り、地図の理解、空間的な配置を把握することが難しく感じることがあります。手順を具体的に示したり、モデルや実物を見せながら説明すること、工程を分かりやすく示すことが理解を助けます。

下位検査
積木模様見本に合わせてブロックを並べる
視覚パズル図形を3ピースで作る組み合わせを選ぶ

VSIは非言語的な認知を反映し、数学や理科、図工など実物を扱う学習に関係します。視覚的な補助教材や模型を使うと理解が深まりやすくなります。

流動性推理(FRI)

新しい問題を解決するための論理的・数量的推理力や、関係性を理解する力を測る指標です。FRIは行列推理図形の重みなどから算出されます。

✅ スコアが高い方

新しい状況に直面した際にパターンや規則性を素早く見つけて応用できる傾向があります。数学的な推論や科学的な問題解決が得意で、概念の理解や応用力に優れています。

⚠️ スコアが低い方

規則や関係性を見つけるのに時間がかかったり、教えられた方法と異なる形式の問題に直面すると戸惑うことがあります。例題を複数のパターンで練習したり、具体例から一般化する練習が理解を助けます。

下位検査
行列推理欠けた図形を選ぶ
図形の重み天秤のバランスを保つ図形を選ぶ
絵の概念複数の絵から共通点を見つける
算数口頭の計算問題に答える

FRIは学習や日常生活で初めて直面する課題への適応力を示します。パズルや推論ゲームなどで楽しみながら鍛えることができます。

ワーキングメモリー(WMI)

耳や目から入った情報を短時間記憶に保持し、それらを並べ替えたり組み合わせながら処理する作業記憶の力を測る指標です。

✅ スコアが高い方

口頭での指示を正確に覚えて実行したり、暗算や頭の中での操作が得意です。集中力が高く、複数の情報を同時に処理しやすい傾向があります。

⚠️ スコアが低い方

情報を頭の中で保持・操作することが難しく、複数の指示を覚えて作業する際に混乱しやすい傾向があります。指示をメモに残したり、視覚的な手がかりを用いる、手順を分けて提示するなどの工夫が有効です。ADHDなど注意機能の課題がある場合、WMIが低く出ることがあります。

下位検査
数唱読み上げた数字を順や逆順で復唱する
絵の記憶描かれた絵を覚えて順に答える
語音整列数字と文字を指定順に並べ替える

WMIの力を伸ばすためには、短い文章や数字を記憶する練習や、順序立てて考える遊びを取り入れると効果的です。

処理速度(PSI)

単純な作業を正確かつ素早くこなす力を測る指標です。PSIは符号記号探しなどから算出され、情報処理の速度や視覚と運動の協調を評価します。

✅ スコアが高い方

単純な作業や繰り返しのタスクを迅速かつ正確にこなすことが得意です。書き取りや計算などのスピードが速く、制限時間のあるテストでも力を発揮しやすい傾向があります。

⚠️ スコアが低い方

作業速度がゆっくりだったり、ミスが多くなりがちです。時間配分や作業環境を整え、課題を細かいステップに分けて取り組むことで負担を減らすことができます。手書きの苦手さはパソコンやタブレットの使用で補える場合があります。

下位検査
符号数字に対応する記号を書き写す
記号探し行の中から目標記号を素早く探す
絵の抹消指定された絵を見つけて印を付ける

PSIが低めのお子さまには、時間を延長したり課題量を調整するなどの学習環境の工夫が効果的です。慣れと反復により一定の向上が見込めます。


時間(予約制) 1セッション50分
曜 日 午前 午後 心理士
日曜日9:00–13:0014:00–18:00笈川 邦枝
費用について
1日目 WISC-Ⅴ検査 60–90分 税込み17,600円
2日目 検査結果説明 30–60分 税込み8,800円
  • 検査結果の解析に時間を要しますので、2週間程度の間を空けて同じ心理士にてご予約ください。
  • WISC‑Ⅴに健康保険は適用されません。
  • キャンセルは前日の午後6時までにお願いします。以後100%のキャンセル料が発生いたします。
  • ご予約やキャンセルはオンラインでのみ受け付けております。お電話では対応できません。
  • WISC‑Ⅴは5歳0か月~16歳11か月の方が対象です。年齢が範囲外の場合、検査が実施できなかった場合でもキャンセル料が発生します。
  • 検査結果説明の際は、保護者様もご参加ください。
  • 初日の検査中は待合室でお待ちください。
  • 母国語が日本語の方にのみ限ります。(For native Japanese speakers only.)
  • 担当心理士の体調不良等により臨時休室となる場合でも、割引などの補償はございません。

お申込みについて
会員登録をされていない方

当院の検査は会員登録制です。以下のページから新規会員登録を行ってください。

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メールでの登録をご希望の方は kclinic@star7.jp 宛に空メールを送信してください(面接前日午後6時まで)。

会員登録済みの方

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心理士が面接終了時に直接予約をお取りすることも可能です。予約は初回を含めて面接前日午後6時まで可能です。

予約空き状況

最新の空き状況を以下のページでご確認いただけます。

当日ご予約をご希望の方

当日予約が取れる場合がございます。お電話でお問い合わせ下さい。

044-733-9510
受付時間は心のクリニック武蔵小杉の開院時間に準じます。
心のクリニック・カウンセリングルームまで。

スムーズな検査開始のため、下記ボタンより問診票をダウンロードし、印刷・記入してお持ちください。

問診表をお持ちでない方は、当院カウンセリングルームのドアにございます『問診票』にご記入の上、待合室でお待ち下さい。時間になりましたら担当心理士がお呼び致します。
追加で発達障害関連の心理検査を行うことが可能です。ご興味がございましたらお申し付け下さい。(AQ-J, A-ASD, A-ADHD, ASRS, WURS 等)

  • 遅刻をされますと十分な面接時間を確保することができなくなることがございます。あらかじめご了承ください。
  • 医師の診察が必要な場合には心のクリニック武蔵小杉の受診をお勧めする場合がございます。
  • 日吉心のクリニック、心のクリニック新横浜、他のクリニック等におかかりの方もお申し込みいただけます。
  • 当日の予約はお受け出来ない場合がございます。

よくある質問
1. 事前の準備は何をしたらいいですか?
WISC‑Ⅴは現在の能力を評価する検査ですので、特別な練習や準備は必要ありません。検査内容を事前に知ってしまうと正確な評価が得られなくなるため、練習問題を解いたりしないようお願いします。
同じ検査を再度受ける場合は、2年程度の間隔を空ける必要があります。短期間で再受検すると練習効果により正確な結果が出ません。
2. 発達障害や知的障害の『診断』はできないのですか?
臨床心理士が行うのは検査の実施と結果のご説明までです。診断の必要がある場合には医師の診察を受けていただく必要があります。検査結果は医師による診断の補助資料としてご利用ください。
3. IQと学力は関係あるのですか?
IQと学力には一定の関係がありますが、完全に一致するものではありません。学校の成績は知能だけでなく、練習量や興味、学習環境など多くの要素の影響を受けます。知能が高くても勉強しなければ成績は上がりませんし、知能が低くても適切な支援や努力により成績を伸ばすことができます。
4. 知能が低いと社会に適応できないんですか?
知能と社会適応能力は必ずしも直結しません。知能が高い人でも社会性に課題があり適応が難しい場合もありますし、知能が低くても工夫やサポートにより社会生活を円滑に送っている人もいます。自身の得手不得手を理解し、それに合った支援や環境を整えることが重要です。そのためにWISC‑Ⅴをご活用ください。
5. JAPAN MENSAに入会したいのですが、診断書の発行は可能でしょうか?
JAPAN MENSAへの入会申請に使用できる知能検査としては、WAIS‑ⅣだけでなくWISC‑Ⅴの結果も受け付けられています。証明書は受検日から1年以内のものが必要です。規定が変更される場合がありますので、最新の詳細はJAPAN MENSAの公式ウェブサイトでご確認ください。規則変更に伴って申請できなくなった場合でも、返金などの補償は行っておりませんのでご了承ください。
6. 他の医療機関に通院しているのですが、受けても良いですか?
もちろん受検可能です。当院以外に通院中の患者様も多くいらっしゃいます。検査結果は書類でお渡ししますので、通院先の先生に治療や支援の参考にしていただけます。予約枠が空いていれば当日のご予約も承ります(当日のご予約はお電話でお願いします)。
7. 聴覚に障害がありますが、WISC‑Ⅴを受けられますか?
WISC‑Ⅴには聴覚による指示や回答が含まれる検査項目があります。難聴の方は検査を実施できる場合がありますが、全く音が聞こえない場合には検査を実施できない場合があります。事前にご相談ください。
8. 年齢制限はあるのでしょうか?
WISC‑Ⅴ5歳0か月~16歳11か月が対象です。16歳以上の方にはWAIS‑Ⅳを案内いたします。16歳0か月から16歳11か月の方は、WAIS‑ⅣWISC‑Ⅴのどちらの検査も受けることができます。