


リワークプログラムは、休職中の方が復職への準備を整えるために様々な目的を持っています。
休職中に症状が安定しても、復職直後はストレスや環境の変化で再発しやすい時期です。厚生労働省の調査では、メンタルヘルス不調で休職した社員の約半数の職場で再発が報告されています。リワークは復職準備を計画的に行い、再発・再休職を防ぐ上で有効だと報告されています。
施設によって構成は異なりますが、主に以下の3領域から成り立っています。
施設によっては読書や資格勉強などの個人ワーク、プレゼンテーションやディスカッション、呼吸法・自律訓練法、1分間スピーチなども組み込まれています。
多くのリワーク施設では段階制を採用しています。例えば「Basic」では病気の理解や生活リズムの確立、セルフコントロール向上を目標とし、週5日の通所を4週間以上続けられると「Advance」に進みます。Advanceでは体力と意欲の向上、休職原因の分析、将来のビジョン再構築を行い、自分らしい働き方を目指します。
プログラム修了後は、復職後半年間に再発しやすい傾向があるため月1回のフォローアップに参加し、職場への適応や感情の変化を確認する施設もあります。
リワークプログラムは、次のような方が対象とされています。
メリット
注意点・デメリット
うつ病は 約60% が再発するとされ、再発を繰り返すごとに再発率が高まると報告されています。復職後にストレスが溜まり再休職に至るケースも多く、厚生労働省の調査ではメンタルヘルス不調で休職した従業員のうち、再発した事業所が 32.4% と報告されています。
リワークは、病状が安定した後に段階的に負荷をかけ、社会生活への適応力を高めることで再発を防ぐ取り組みです。心理教育で病気の特性を知り、悪循環を防ぐ方法を学び、コミュニケーション練習で対人関係のストレスを減らし、ストレスマネジメントでストレスの捉え方や解消法・耐性を学ぶといった要素が再発防止に役立ちます。
複数の研究から、リワークを受けた人のほうが復職後の就労継続率が高いことも示されています。例えば、うつ病リワーク研究会の調査では、リワークプログラムを利用して復職した人は復職後1,000日経過した時点でも 約70% が仕事を続けていたのに対し、リワークを利用せずに復職した人は 2割未満 しか働き続けられませんでした。この結果は、リワークに参加することで再発・再休職のリスクが 約3.5分の1 に低減することを示しています。
さらに別の研究では、リワーク未利用者の再休職リスクが利用者の 約6倍 に上ると報告されており、プログラム内容やフォローアップを改善した施設では復職後の就労継続率が 90%以上 まで向上した事例もあります。再発率の高さからも、復職支援プログラムを計画的に受ける意義は大きいと言えます。
公的な資料でも、地域障害者職業センターのリワーク支援終了後はフォローアップやジョブコーチによる支援があり、職場復帰後の再発防止に公的支援が重要とされています。復職後半年間は再発が起こりやすい時期とされ、通院や薬物治療を継続し無理をしないことが推奨されています。
リワーク(復職支援)には運営主体や制度の違いにより複数の種類があります。ここでは4つのタイプをそれぞれ解説します。
🍀①福祉リワーク(就労移行支援・自立訓練等)
全国で
約3,600施設
と、リワーク施設の
約9割
を占めると言われています。
障害者総合支援法に基づく就労移行支援事業所や自立訓練施設が実施主体で、近年はうつ病や適応障害からの復職に特化した施設も増えています。
🩺②医療リワーク(精神科デイケア)
精神科デイケアとして医療機関が提供する復職支援で、
日本うつ病リワーク協会には
203施設
が加盟しています。医師や看護師、心理士など多職種による治療的アプローチが特徴です。
🏢③地域障害者職業センター(職リハリワーク)
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が運営する公的なリワーク支援で、全国に
約52か所
設置されています。利用料は無料です。
🏢④企業内リワーク・EAP
大企業やEAP(Employee Assistance Program)事業者が従業員向けに行う復職支援です。一般には
数十か所程度
しかなく、全体の1%未満とされています。
💡 リワーク支援の効果
厚生労働省の業務実績評価によると、職場復帰を支援するリワークプログラムの利用者は年間 2,618人 で復職率は 約84.1% に達します。
さらに、日本うつ病リワーク協会の調査では、リワーク参加者の1年後の就労継続率が 約83.2% にのぼるとの報告があります。これらのデータはリワークが再発防止に有効であることを示しています.
福祉リワークが施設数で圧倒的多数を占める一方、医療リワークは治療との一体性が高く専門職による支援が手厚いことから再発防止効果が高いとされています。地域障害者職業センターと企業内リワークは定員が限られますが、費用が無料であったり職場環境に即した調整ができるなどメリットもあります。自身の病状や職場環境に合わせて適切なプログラムを選ぶことが大切です。
リワークの費用は実施主体によって大きく異なります。主なタイプ別の目安をまとめました。
当クリニックでは現在リワークプログラムの提供を行っておりません。復職支援が必要な方は、 外部機関や通いやすい施設を優先的にご利用ください。実際の利用者の多くは福祉リワークや医療リワークを選択しているため、 身近で通いやすい施設 を中心に検討すると良いでしょう。
リワークの施設を探す際には、 主治医や産業医、ハローワークの相談窓口に相談すると安心です。プログラム内容や対象となる疾患、参加条件、費用などをよく確認し、 自分に合った施設を選びましょう。