

TEG3(東大式エゴグラム3)は、16歳以上を主な対象として、53問の設問に「はい」「どちらでもない」「いいえ」の3択で回答し、約10分で実施できる心理検査です。自分の性格やコミュニケーションの傾向を客観的に見つめ直し、自己分析・自己理解から自己変容へとつなげることを目的としています。“自分を知って、自分を変える”という視点から、「どうしてこんな言い方をしてしまうのか」「どうしてコミュニケーションがうまくいかないのか」といった疑問への気づきを促します。交流分析の考え方に基づき、CP・NP・A・FC・ACという5つの自我状態をグラフで可視化することで、自分の強みや偏り、対人関係で出やすいパターンを把握しやすくなります。当院では、自我状態を客観的に把握し、心の成長と変容をサポートするための検査としてTEG3を活用しています。

TEG3は、5つの自我状態(CP・NP・A・FC・AC)を評価し、性格特性や行動パターンを理解するための質問紙法の心理検査です。結果はグラフ化され、各自我状態のエネルギー量やバランスを視覚的に把握できます。どの自我状態が使いやすいのか、どこに偏りがあるのかを知ることで、自己理解を深める手がかりになります。
検査は16歳以上を主な対象とし、53問の設問に対して、「はい」「どちらでもない」「いいえ」の3択で回答します。回答時間は約10分と比較的短く、受けやすい検査です。理想の自分ではなく、普段の自分に近い感覚で答えることが大切です。
また、TEG3は信頼性・妥当性が検証され、大規模な標本で標準化された心理検査です。客観的な枠組みで自分の傾向を見直しやすい点が特徴です。
ただし、この検査だけでパーソナリティ障害などの診断ができるわけではありません。心理検査は医師の診断や臨床判断を補助するための材料の一つであり、TEG3から読み取れるのは、主としてご自身の自我状態や対人傾向の理解までとなります。
交流分析の視点もふまえて、より詳しいフィードバックや自己分析、具体的な変容の方向性についてご希望がある場合は、カウンセリングの中で丁寧に対応いたします。TEG3でプロフィールを把握し、それをもとに考え方やコミュニケーションのくせを見直していくことが、自己変容への第一歩になります。
検査結果は、そのときの気分やストレス状態、回答態度、置かれている環境の影響を受けることがあります。結果を固定的に受け取るのではなく、面接や生活背景とあわせて総合的にみることが大切です。
TEG3は、次のようなお悩みや目的がある方におすすめです。
✅ 自分の性格を検査で知りたい
5つの自我状態のエネルギーバランスを可視化し、自分の性格特性や反応のくせを整理する手がかりになります。
✅ 自分の性格を変えたい
エゴグラムの結果を踏まえて、どの自我状態を育てるとよいかを考え、自己変容の方向性を見つけやすくなります。
✅ 日常生活・職業生活をより良くしたい
自我のバランスを見直すことで、行動パターンやストレス対処の仕方を整えるヒントになります。
✅ コミュニケーションがうまくいかない
上司・部下・同僚・家族などとのやり取りで、どのような言い方や反応が起こりやすいかを見直します。
✅ 人間関係がうまく築けない
自分と相手の傾向を理解することで、対人関係でのすれ違いや衝突の背景を整理しやすくなります。
✅ カウンセリングの参考資料がほしい
面接だけでは見えにくい対人パターンや反応傾向を、話し合いの共通資料として活用できます。
👉 他の医療機関に通院中の方でも検査を受けていただけます。検査結果は書類でお渡しできますので、必要に応じて通院先の先生に共有していただけます。
TEG3は自己理解や対人理解にとても役立つ検査ですが、結果だけで人物像を決めつけたり、診断を確定したりするものではありません。面接や他の検査、生活歴などとあわせて解釈することが重要です。
エゴグラムは、交流分析における構造分析を応用した考え方で、心の働きをグラフとして表す方法です。TEG3では、P(親)・A(大人)・C(子ども)という枠組みをさらに細分化し、CP・NP・A・FC・ACの5つの自我状態として表します。53問の質問に答えることで、どの自我状態を使いやすいか・使いにくいかを把握し、性格やコミュニケーションの傾向を整理できます。
TEG3では、次のようなことを把握する手がかりが得られます。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 🧭 自我状態の使いやすさ | どの自我状態をよく使い、どの自我状態が出にくいか |
| 🧠 性格特性 | 責任感、共感性、合理性、自由さ、協調性などの傾向 |
| 🔄 行動パターン | 日常場面で起こりやすい反応や考え方のくせ |
| 🤝 交流パターン | 人間関係でどのようなやり取りをしやすいか |
| 🪞 自己理解の方向性 | どの自我状態を育てるとバランスが取りやすいか |
⇒ エゴグラムの特徴をつかむことで、自身の性格やコミュニケーションの傾向を理解し、変化の方向性を考えるヒントになります。
| 項目 | 補足 |
|---|---|
| ⚖️ パーソナリティの良し悪し | 高い・低いだけで良い悪いは決まりません |
| 🗣️ コミュニケーションスキルそのもの | 実際の技術や状況対応は面接や観察も含めて評価します |
| 🩺 心の健康状態やストレス度の全体像 | 必要に応じて他の検査や診察と組み合わせて判断します |
| 🏷️ 性格の固定的なラベル付け | プロフィールは現在の傾向であり、その人全体を決めるものではありません |
責任感の強さや厳格さを表す自我です。適度であれば責任感がある・けじめがあるとみられます。低すぎると怠惰・ルーズな印象につながりやすく、高すぎると批判的・厳しすぎる傾向として表れやすくなります。
寛容さや優しさ、相手を支える姿勢を表す自我です。適度であれば思いやりがある・受容的であるとみられます。低すぎると冷たい・共感しにくい印象につながりやすく、高すぎると世話を焼きすぎる・抱え込みやすい傾向として表れやすくなります。
合理性や冷静さ、現実的な判断を表す自我です。適度であれば合理的・現実的・安定感があるとみられます。低すぎると感情に流されやすい・非合理的になりやすく、高すぎると理屈っぽい・計算高い印象として受け取られることがあります。
感情表現や自発性、自由さを表す自我です。適度であれば明るい・ユーモアがある・のびのびしているとみられます。低すぎると閉鎖的・遠慮が強い傾向につながりやすく、高すぎると自由奔放・わがままと受け取られやすくなります。
協調性や周囲に合わせる力を表す自我です。適度であれば節度がある・空気を読めるとみられます。低すぎるとマイペース・周囲に合わせにくい傾向となりやすく、高すぎると我慢しすぎる・不満をため込みやすい傾向として表れやすくなります。
エゴグラムでは、自我状態の値はその心の働きのエネルギー量として考えます。高い値の項目が多いほど、その人の中で使われやすいエネルギーが豊富であるとみることができます。ただし、それぞれの自我状態を単体で判断するのではなく、全体のバランスを見て解釈することが大切です。
また、自我状態の改善を考えるときには、単に高い自我を下げるのではなく、低い自我を無理のない形で育てていくという視点が役立つことがあります。使いにくい自我状態を少しずつ伸ばしていくことで、対人関係や日常行動の幅が広がりやすくなります。
年齢、役割、育ってきた環境、文化的背景などによって、プロフィールの出やすさには違いがあります。プロフィールの「型」に当てはめすぎるのではなく、今の生活場面で何が起こりやすいかという視点で読むことが大切です。
① CP(批判的な親)を高めるには
体調管理、お金の管理、時間の管理など、自己管理を意識して行ってみましょう。責任感を持って行動することや、自分の意見を必要な場面でしっかり伝えることも役立ちます。
② NP(養育的な親)を高めるには
相手のよいところを見つけ、能力や成果、性格を積極的に認めることが大切です。まずは褒めたりフォローしたりしながら、共感を言葉にして伝えることを意識してみましょう。
③ A(大人)を高めるには
物事を具体的に整理し、事実と感情を分けて考える練習が役立ちます。長期的な視点で全体を見ながら、自分の行動がどのような結果につながるかを考えることも大切です。
④ FC(自由な子ども)を高めるには
楽しそうなこと、面白そうなことに少しずつ参加してみましょう。頭で考えすぎず、感覚や感情で「好き」「やってみたい」と感じることを表現する練習が役立ちます。
⑤ AC(順応した子ども)を高めるには
聞き手に回って相槌を打ったり、相手がどう感じたかを確かめてみることが役立ちます。自分の意見にこだわりすぎず、相手の意見を受け入れたり、人に頼ったりすることも大切です。
L尺度・Q尺度について
当院では、プロフィールの解釈にあたって妥当性尺度(L)と疑問尺度(Q)も確認します。目安として、L尺度が4点以上、またはQ尺度が44点以上の場合には、回答態度や記入状況の影響などにより、結果の信頼性に注意が必要です。
自分にとって – 自己分析から自己変容へ
TEG3の結果をみることで、「厳しくなりすぎやすい」「相手に合わせすぎやすい」「感情を出しにくい」「理屈で整理しやすい」など、自分の行動や対人関係のパターンに気づきやすくなります。そこから、自分に合ったコミュニケーションの工夫やストレス対処、考え方の見直しにつなげることができます。
ご家族や支援者にとって
家族や支援者にとっても、TEG3のプロフィールはご本人の反応パターンや感じ方を理解するための参考になります。どのような声かけや関わり方が受け入れられやすいか、どのような場面でストレスが高まりやすいかを考える手がかりになります。
カウンセリングでの活用
交流分析の視点を取り入れながら、プロフィールをもとに「なぜこの反応が出やすいのか」「どの自我状態を育てるとバランスが取りやすくなるか」を一緒に整理していくことができます。検査結果をきっかけとして、具体的な行動変容につなげやすくなります。
他院通院中の方へ
ご希望に応じて、検査結果は書類としてお渡しできます。現在の通院先の先生に共有し、今後の診療や支援の参考資料としてご活用いただくことも可能です。
TEG3は、人を固定的に分類するための検査ではなく、今の自分の傾向を知り、よりよい変化のきっかけをつかむための検査です。面接だけでは見えにくい対人傾向や自己評価のくせを補う資料として役立ちます。
また、TEG3は自己理解を深めるためのツールとして有用ですが、より立体的に理解するためには、臨床面接や他の心理検査と組み合わせて考えることが重要です。必要に応じて、WAIS-IVや各種質問紙、発達特性や精神状態をみる検査などと併用することで、支援方針やセルフケアの方向性をより具体的に検討しやすくなります。