精神障害者保健福祉手帳とは

精神障害者保健福祉手帳は、精神障害により長期にわたって日常生活社会生活制約があることを認定し、 自立社会参加を促すための証明書です。精神障害者保健福祉手帳を取得すると、 公共料金や税金の減免障害者雇用枠での就労などの支援を受ける事ができます。 これにより、精神障害のある方の生活の安定社会参加が後押しされます。

精神障害者保健福祉手帳のイメージ
目次
制度の目的

自立と社会参加の促進
精神障害者保健福祉手帳は、精神障害を持つ方が各方面の協力のもとで支援を受け、自立社会参加を促進することを目的としています。

この制度を通じ、支援策が講じられ、生活の安定社会復帰を図ります。特に以下のような支援が受けられます。

🧑‍💼 就労支援
障害者手帳を取得すると障害者雇用促進法の対象となり、障害者雇用枠での求人に応募できるようになります。 また、就労移行支援職業リハビリテーション等の支援サービスが利用しやすくなり、働くことへのサポートが広がります。

💰 各種支援策
医療費助成公共交通機関の割引税金の控除・減免生活福祉資金の貸付など、状態に応じたサービスを受けられます。

🏠 生活の安定とQOL向上
適切な支援により再発防止生活の安定が図られ、生活の質(Quality of Life)の向上につながります。

手帳がなくても障害者枠の求人に応募できる場合がありますが、求人票で手帳の提示を求められることが多く、取得しておくと安心です。


対象となる方

精神障害者保健福祉手帳は、長期にわたり日常生活社会生活への制約がある精神障害を持つ方を対象としています。 対象となる精神疾患には、統合失調症うつ病双極性障害などの気分障害てんかん薬物依存症高次脳機能障害発達障害(自閉症・学習障害・注意欠陥多動性障害等)、その他のストレス関連障害が含まれます。

ただし、知的障害のみで精神障害がない場合は療育手帳の対象となり、発達障害知的障害の両方を有する場合は両方の手帳を取得できます。

申請のタイミング
手帳を受けるためには、精神障害による初診日から6か月以上経過していることが必要です。
診断書初診から6か月経過した日以後かつ申請日前3か月以内に作成する必要があります。

精神障害の状態症状の程度により対象となるかどうかは異なります。詳細は主治医市区町村の担当窓口にご相談ください。


手帳の等級

精神障害者保健福祉手帳の等級は、精神障害の状態に応じて1級から3級までの3段階があります。 等級が低いほど障害の程度が軽くなります。

1級
日常生活の用を弁ずることがほとんどできない程度の状態です。

2級
日常生活に著しい制限があり、介助を必要とする程度です。

3級
日常生活社会生活に一定の制限がある程度です。

障害年金証書を利用して申請する場合、手帳の等級は年金の等級同じになります。


受けられるサービス

精神障害者保健福祉手帳を持っていると、全国共通の支援と、自治体または事業者による独自支援が受けられます。

全国共通のサービス

公共料金NHK受信料の減免
所得税住民税相続税の控除・減免
自動車税自動車取得税の軽減(1級の場合)
生活福祉資金の貸付、手帳所持者の雇用による雇用率算定職場適応訓練

自治体や事業者によるサービス

鉄道・バス・タクシー等の運賃割引、公共施設の入場料割引
携帯電話料金上下水道料金の割引
心身障害者医療費助成福祉手当通所交通費助成軽自動車税の減免
公営住宅の優先入居 など

サービスの具体的な内容は自治体や事業者により異なるため、詳しくは居住地の自治体にご確認ください。

自立支援医療制度について

精神障害者保健福祉手帳には、通院医療費の負担を軽減する自立支援医療制度(精神通院医療)が含まれています。
手帳が認定されると自立支援医療制度の利用資格も付与され、医療費の自己負担が原則3割から1割へと軽減されます。
別途の申請は不要ですが、手帳の交付後に市区町村窓口受給者証を受け取る手続きが必要です。


手帳の有効期間

手帳の有効期限交付日から2年が経過する日の属する月の末日までで、2年ごと更新手続きが必要です。 更新時には診断書または障害年金証書の写しを添えて再認定を受けます。

更新申請の受付時期
更新申請は有効期間の3か月前から受け付けています。
更新には時間がかかる場合があるため、早めの申請をおすすめします。

障害状態が変化した場合は、有効期限内であっても等級変更の申請が可能です。


申請の流れ

精神障害者保健福祉手帳の取得には、医師市区町村窓口での手続きが必要です。おおまかな流れは以下のとおりです。

1. 申請の相談
手帳の申請を希望する方は、主治医にご相談ください。
当院では申請に必要な精神障害者保健福祉手帳用診断書を作成します。作成には1〜2週間ほどかかるため、早めのご相談をおすすめします。

2. 必要書類の準備
診断書が完成したら、申請書顔写真など必要な書類をそろえます。
障害年金証書等をお持ちの場合は、その写しでも申請が可能です。

3. 市区町村窓口で申請
お住まいの市区町村障害者支援窓口に書類を提出します。
申請はご本人のほか、家族医療機関関係者など代理人でも行うことができます。

4. 審査
提出された書類は都道府県政令指定都市精神保健福祉センターで審査されます。

5. 交付通知と受け取り
審査により手帳の交付が認められると、市区町村から交付通知が届きます。
通知に記載されたものを持参し、窓口で手帳を受け取ります。不承認の場合も通知されます。


必要書類

申請に必要な書類は以下の通りです。いずれの場合も本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)が必要です。

診断書による申請

申請書
市区町村窓口で配布しています。

診断書
精神障害の初診日から6か月以上経過し、申請日から3か月以内に作成されたものが必要です。
当院でもフォーマットを用意しているため、事前に取りに行く必要はありません。

顔写真
上半身を撮影したもの(縦4cm×横3cm)で、申請から1年以内に撮影したものが必要です。

障害年金証書による申請

障害年金証書(写し)
精神障害を支給事由とする年金を受給している場合に提出します。

顔写真
診断書の場合と同様です。

特別障害給付金受給資格者証による申請

特別障害給付金受給資格者証(写し)
該当者のみ提出します。

顔写真
診断書の場合と同様です。

なお、個人番号の利用が開始されているため、申請書等には個人番号の記載が必要です。
申請の際には番号確認書類本人確認書類(顔写真付きの身分証明書など)をご用意ください。


申請窓口

申請は、住民票のある市区町村障害者支援窓口で受け付けています。
窓口の名称や担当課は自治体によって異なるため、詳しくはお住まいの自治体へお問い合わせください。


注意点

更新手続きに注意
手帳は2年ごとに更新が必要で、自治体から個別の案内がない場合もあります。
手帳に記載された有効期限を確認し、早めに更新を行いましょう。

等級変更の申請
症状の変化により等級が上がったり下がったりする場合は、更新時期に関係なく等級変更の申請ができます。

手帳の返還
障害が軽減すれば、手帳を返還することや更新を行わないこともできます。

申請のメリット
手帳を持つことで各種の割引サービスを受けられ、不利益は生じません。
疑問や不安がある場合は、お住まいの自治体の障害者支援窓口精神保健福祉センターにご相談ください。