

日常生活の中で「頭が痛い」と感じることは珍しくありません。多くの場合は一過性のものでしょうが、慢性的な痛みやこれまでにない激しい痛みが続くと不安になるものです。
ポイント
頭痛には筋収縮性頭痛(緊張型頭痛)や片頭痛など複数のタイプがあり、原因や現れ方にも違いがあります。
慢性頭痛の中でも最も多いのは筋収縮性頭痛(緊張型頭痛)で、仕事やスマートフォン操作などで首や肩の筋肉が緊張したときに起こりやすいとされています。
これらの頭痛はストレスや姿勢の悪さ、睡眠不足など生活習慣や自律神経の乱れと密接に関係しており、世界保健機関(WHO)の調査でも成人の約3人に1人が経験するとされています。
仕事や勉強などで強いストレスを受けているときに頭が痛くなることもあれば、緊張が解けた途端に痛み出すこともあります。ストレスと頭痛の関係はよく知られており、緊張型頭痛はかつて「ストレス頭痛」と呼ばれるほどストレスとの関連が深い頭痛です。
ポイント
片頭痛もストレスによって誘発されたり悪化することがあり、緊張型頭痛はストレスを受けている最中に痛む傾向がある一方、片頭痛はストレスから解放されたときに起こりやすいと報告されています。
精神的なストレスにより交感神経が長く優位になると、首や肩の筋肉が硬くなり血行が悪くなって筋収縮性頭痛(緊張型頭痛)を引き起こしやすくなります。また、不規則な生活や睡眠不足で自律神経のバランスが乱れると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、頭痛やめまい、吐き気などの症状が現れることがあると報告されています。
自律神経失調症では検査で異常が見つからないことが多く、原因が分からない不安から症状が悪化する悪循環に陥りがちです。生活リズムを整えることと、ストレスの要因を見直すことが重要とされています。
慢性的な頭痛を持つ人はうつ病や不安障害などのこころの病気を合併しやすいことが知られています。特に片頭痛患者は頭痛のない人に比べてうつ病やパニック障害になりやすいといわれ、脳内の神経伝達物質セロトニンの働きが片頭痛とうつ病の双方に関わっていると考えられています。
ポイント
逆に、うつ病や不安症、パニック障害、身体症状症などのこころの病気が原因で頭痛が起こることもあり、痛みの出方がはっきりしないことや背中の痛みなど他の症状を伴うことが多いのが特徴です。
こころの病気がよくなれば頭痛も軽快する場合が多いため、気分の落ち込みや睡眠障害、食欲低下など心身の変化が長く続く場合には、精神科や心療内科に相談することが勧められています。
ストレスによる頭痛を防ぐ最も確実な方法は原因となるストレスを避けることですが、現実には難しい場合が多いため、自分に合ったストレス解消法を見つけてストレスと上手に付き合うことが重要です。ストレス解消法には、十分な睡眠やゆったりした入浴、人に相談する、好きな映画を見る、スポーツや趣味に打ち込むなどさまざまな方法があります。
ポイント
同じ方法に偏らず、受動的な解消法と能動的な解消法を組み合わせることがポイントです。日常生活では、長時間同じ姿勢を避ける、こまめにストレッチを行う、ディスプレイの高さを調整する、適度な運動を取り入れて首や肩の筋肉をほぐす、規則正しい睡眠習慣を心がけることが大切とされています。
リラクゼーション法やマインドフルネス、呼吸法なども筋肉の緊張と自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
認知行動療法は慢性的な痛みや頭痛に対する心理療法として注目されており、痛みに対する捉え方や行動パターンを見直すことで症状の改善を図ります。ストレスへの向き合い方を変え、破局的な思考を修正することで痛みの程度が和らぐ場合があります。
頭痛の多くは生活習慣やストレスに関連する一過性のものですが、次のような場合は医療機関の受診が必要です。
受診を検討する目安
当院では、頭痛だけでなく不安や抑うつなどの心の症状を含めた総合的な診療を行っています。つらい頭痛が続いて日常生活や仕事に支障を感じるときは、自己判断で我慢せず専門医にご相談ください。
一人ひとりの症状や生活背景を伺い、原因の見極めと適切な治療をサポートいたします。安心してご来院いただけるようスタッフ一同お待ちしております。