集中できない
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集中力が続かない・うっかりミスが起こるとき

授業や仕事に取り組んでいるのに頭がぼんやりしてしまい、同じようなミスを何度も繰り返すことはありませんか?

周囲から「努力が足りない」「注意力が低い」と見られることもありますが、背後にはこころ身体の状態の変化が潜んでいることが多いと言われています。

ポイント

  • ストレス睡眠不足で脳が疲れると集中しにくくなる
  • 栄養の偏りや体調不良でも情報処理が鈍りやすい
  • 長引く場合は、背景に疾患が隠れていることもある

ストレスや睡眠不足、栄養の偏りなどによって脳が疲れていると情報処理が鈍り、思考判断力が低下するため、集中しようとしても集中できない状態になります。長引く場合は、以下のような疾患が関係しているかもしれません。

考えられる原因・関連疾患
適応反応症(適応障害)
特定のストレス要因(職場の問題や人間関係など)が原因でこころと身体に不調が現れる状態です。不安焦り怒りっぽさなどの感情面の症状や頭痛倦怠感などの身体症状、遅刻や欠勤、他者との口論といった行動面の症状など、多彩なサインが出ます。ストレスによって心のエネルギーが消耗し、集中力が続かない以前はしなかったミスが増えることが特徴です。原因となっている環境から離れると症状が和らぐ傾向があります。
うつ病
うつ病では気分の落ち込み興味の喪失が続き、睡眠障害疲労感といった身体症状が伴います。脳のエネルギーが枯渇し、思考のスピードが遅くなる「思考停止」状態に陥るため、「考えがまとまらない」「本を読んでも内容が頭に入らない」「決断できない」といった形で集中力の低下ミスの増加が表れます。
双極症(双極性障害)
双極症は、活動的で気分が異常に高揚する躁状態と、意欲が出ないうつ状態を繰り返す疾患です。躁状態では眠らなくても平気になったり、次から次へとアイデアが浮かぶ一方で注意を向け続けることが難しく、「思いついたことを考えずに行動してしまう」「順序立てた作業が続かない」といった不注意が前面に出ます。また、浪費や強引な取引など後先を考えない行動により社会的信用を失うこともあります。一方のうつ状態では強い抑うつ気分や興味の喪失に加え、認知機能の低下が起こるため集中力の低下ミスが目立つようになります。
注意欠如・多動症(ADHD)
ADHDは脳機能の特性から不注意多動性衝動性が目立つ生まれつきの発達特性です。気分や努力に関係なく、「ケアレスミスが多い」「物をよくなくす」「予定や締め切りを忘れる」「順序立てて物事を進めるのが苦手」といった不注意が出やすく、じっとしていられない、順番を待てない、考えたことをすぐ口にしてしまうなどの多動性・衝動性もみられます。子どもの頃から続く特徴があり、本人に悪気がないのに頑張るほどうまくいかないため、自己肯定感の低下につながることもあります。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に気道が閉塞して呼吸が止まる、あるいは浅くなる疾患で、極端に大きないびきや睡眠中の呼吸停止を家族に指摘されることがよくあります。呼吸が止まる度に脳が覚醒するため深い睡眠が得られず、脳や身体が休まりません。十分な睡眠時間を確保していても日中の強い眠気倦怠感が出るほか、会議中に居眠りをしてしまう、仕事の効率が著しく低下するなどの形で集中力低下ミスが増える原因になります。
そのほかに見られるサイン

集中力の低下やミスの増加に加えて、以下のようなサインがある場合は専門家による診断が重要です。

気分・行動・身体の変化

  • 気分の変化
    気分が落ち込んで何もする気になれない好きだった趣味に興味が持てなくなった、理由もなくイライラしたり不安になる、逆に気分が異常に高揚しておしゃべりになり落ち着いていられない期間がある。
  • 行動の変化
    落ち着きがなくそわそわする、物事の順番を待てず衝動的に行動してしまう、部屋や机が片付けられない危険な運転衝動買いが増える。
  • 身体の変化
    寝つきが悪い夜中に目が覚める早朝に目覚めてしまう日中に強い眠気がある、食欲がないまたは過食だるさ動悸めまいを感じる、朝起きた時の頭痛口の渇きがある。

このような症状は、一過性の疲労や環境のせいと思って放置すると悪化し、仕事や日常生活に大きな支障をきたす恐れがあります。

当院でのサポート

当院では、集中力の低下ミスの増加の背後に隠れている原因を丁寧に評価し、一人ひとりの状態に合わせた治療を行っています。

薬物療法では脳内の神経伝達物質のバランスを整える薬を用いて、不注意多動性・衝動性を改善します。また、生活リズム環境調整の工夫、考え方の癖を修正する認知行動療法など、心理社会的なサポートも組み合わせます。

ポイント

  • 性格の問題」と自分を責めすぎない
  • 我慢して放置すると長引くことがある
  • 原因に応じた治療で改善が期待できる

集中できない状態を「性格の問題」と自分を責めたり、我慢して放置したりすると症状が長引くことがあります。こころや身体の不調が原因で集中力が続かない場合、適切な治療により症状の改善が期待できます。

気になる症状がある方はどうぞお気軽に当院までご相談ください。早めの受診が回復への第一歩です。