

「でも、それは仕方ないです」
「だって、自分ばかり責められるので」
「だから、もう無理なんです」
このように、「でも」「だって」「だから」が会話の中で増えているとき、本人も気づかないうちに、心の余裕が少なくなっていることがあります。
もちろん、「でも」「だって」「だから」という言葉自体が悪いわけではありません。誰でも使う自然な言葉です。
しかし、強いストレスを抱えている時、不安が高まっている時、気持ちが追い詰められている時には、この“3D”が増えやすくなることがあります。
特に、疲労、不眠、対人ストレス、抑うつ状態、不安障害、適応障害などがあると、自分を守ろうとする気持ちが強くなり、会話の中で無意識に防御的な反応が増えていくことがあります。
今回は、心理学的な視点も踏まえながら、「でも・だって・だから」の背景にある心の状態や、人間関係で悪循環になりやすい理由について解説します。
💡この記事のポイント
「でも・だって・だから」が増える背景には、防御反応、不安、傷つきやすさ、疲労などが関係していることがあります。単なる性格の問題と決めつけず、その背景にある“しんどさ”に目を向けることが大切です。
人は追い詰められると、自分を守ろうとします。
その時によく見られるのが、「否定」「言い訳」「正当化」の反応です。
これは、わがままだから起きるとは限りません。
むしろ、不安が強い人、真面目な人、失敗を恐れやすい人、怒られる経験が多かった人ほど、「否定されるかもしれない」という緊張感が強くなり、防御的になりやすいことがあります。
特に幼少期から、
という経験があると、「まず自分を守らなければ」という反応が身につきやすくなります。
その結果、会話の最初に“防御”が出やすくなるのです。
「でも」「だって」が多い人を見ると、周囲はイライラしてしまうことがあります。
しかし、本人の中では、
という気持ちが強くなっている場合があります。
つまり、“攻撃している”というより、“守っている”状態に近いことがあるのです。
ただし、防御反応が強くなると、相手には「話を聞いていない」「反論ばかり」「素直ではない」という印象を与えやすくなります。
すると人間関係が悪化し、
✅ 悪循環の例
という循環に入ることがあります。
この状態が長く続くと、対人関係への疲労感が強くなり、出勤や登校がつらくなったり、人と話すこと自体が苦痛になることもあります。
心に余裕がある時は、人は相手の話を一度受け止めやすくなります。
しかし、疲労やストレスが蓄積すると、脳は「危険」に敏感になります。
すると、
という状態になりやすくなります。
特に睡眠不足は影響が大きく、睡眠が乱れると感情調整機能が低下し、イライラ、不安、過敏さが強くなりやすいことが知られています。
また、うつ状態では「自分はダメだ」という考えが強くなりやすく、不安障害では「失敗したらどうしよう」という警戒感が高まりやすくなります。
その結果、会話の中で余裕がなくなり、“3D”が増えやすくなることがあります。
発達特性や対人コミュニケーションの特性によって、「うまく伝わらない」「誤解されやすい」と感じ続けてきた方もいます。
たとえば、
という積み重ねがあると、「まず自分の事情を説明しなければ」という意識が強くなります。
その結果、「だって」「でも」が増えやすくなることがあります。
本人としては、“理解してほしい”という気持ちなのですが、相手には“反論”として伝わってしまうことも少なくありません。
「でも・だって・だから」が多い人を見ると、「面倒」「話が通じない」と感じることもあるかもしれません。
しかし、その背景には、
などが隠れている場合があります。
もちろん、何でも正当化してよいわけではありません。
ただ、「性格が悪い」と単純化してしまうと、本来必要な支援や理解につながりにくくなることがあります。
また、本人自身も、「また否定された」と感じ、さらに防御的になることがあります。
「最近、人に対して反論ばかりしてしまう」
「すぐイライラする」
「注意されると強く落ち込む」
「人と話すと疲れ切ってしまう」
このような状態が続く場合、単なる性格ではなく、心の不調が背景にあることもあります。
特に、
などでは、感情の余裕が少なくなり、防御反応が強まりやすくなります。
また、強いストレスが続くと、「常に緊張している状態」になり、会話そのものが負担になることもあります。
🌿 最後に
「でも・だって・だから」が増えている時、その背景には“困っている心”が隠れていることがあります。人は余裕がなくなるほど、防御的になりやすいものです。大切なのは、表面的な言葉だけで判断せず、その人の疲労や不安、傷つきやすさにも目を向けることです。もし、人間関係のストレスや会話のしんどさが続いている場合は、一人で抱え込まず、医療機関などに相談することも大切です。