


「検査では異常なしと言われたのに重大な病気が怖い」「症状を検索し続ける」「身体を何度も確認する」「受診を繰り返す、または怖くて避ける」。健康不安が続くと、仕事、家事、睡眠、人間関係に大きな負担が生じることがあります。
検査結果が正常だったことだけで病気不安症と診断することはありません。新しい症状や急な変化、身体疾患を疑う所見があるときは、必要な身体診療を優先します。質問票や一回の検査だけで診断を確定したり、身体疾患を否定したりする外来ではありません。
当外来では、不安の内容、確認・検索・受診反復や回避、これまでの医学評価、生活への影響を整理します。必要な受診判断を保ちながら、健康不安に合わせた認知行動療法、段階的な行動練習、併存症を含む必要時の薬物療法を相談します。
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「検査では異常がないと言われたのに、重大な病気が隠れている気がする」「症状を検索すると不安が強くなり、確認をやめられない」「安心するために受診しても、すぐに別の見落としが心配になる」。健康への心配は誰にでもありますが、不安や確認に多くの時間を取られ、仕事、家庭、睡眠、外出などに支障が続く場合は、こころの治療が役立つことがあります。
当外来では、成人の健康不安や病気不安症について、身体症状とこれまでの医学的評価を尊重しながら、病気へのとらわれ、検索・測定・安心確認、医療機関への反復受診または受診回避、不安や抑うつ、生活への影響を整理します。最初から「不安のせい」と決めつける外来ではありません。
大切なご案内
この外来は、身体疾患の精密検査や救急診療を代替するものではありません。検査結果が正常だったことだけで病気不安症と診断することもありません。新しい症状、急な悪化、身体疾患を疑う所見がある場合は、必要に応じて身体科での評価を優先または併行します。
診断名を急いで決めることよりも、「どのような不安が、どの行動によって続いているか」「必要な医療と、不安から繰り返す確認をどう区別するか」を一緒に考え、適切な受診判断を保ちながら日常生活を取り戻すことを目指します。
心配する病名や身体部位は人により異なり、同じ方でもニュースや身近な人の病気、体調変化をきっかけに移ることがあります。相談では病名の正しさだけを議論せず、不安が始まる場面、予想した危険、仕事・睡眠・外出への影響を確認します。症状が本物かどうかを争うものではありません。
正常結果を聞いても「検査が早すぎた」「別の検査なら見つかるかも」と不安が戻ります。
症状、病名、体験談、検査精度を繰り返し調べ、不安がさらに高まります。
しこり、脈拍、血圧、体温、酸素飽和度、皮膚や排泄物などを繰り返し確認します。
家族、友人、医療者、SNSなどに、病気ではないという保証を何度も求めます。
見落としへの不安から、同じ目的の診察や検査を複数の医療機関で繰り返します。
診断を告げられることが怖く、必要な診察、健診、服薬まで避けることがあります。
動悸や息切れを危険と考え、運動、外出、入浴、仕事などを控えます。
仕事への集中、睡眠、家族との会話、楽しみが減り、健康確認が一日の中心になります。
一部だけに当てはまっても、それだけで診断が決まるわけではありません。頻度、持続期間、背景にある身体疾患のリスク、本人の苦痛と機能低下を含めて評価します。
健康不安は、健康や病気に関する心配を表す幅広い言葉です。心配そのものは自然な反応で、すべてが病気ではありません。心配が強く持続し、身体の感覚を重大な病気の証拠と受け取り、確認や回避が増えて生活に支障を来す場合に、病気不安症などを検討します。
DSM-5-TRの病気不安症では、重大な病気にかかっている、または将来かかることへのとらわれが中心で、身体症状はないか、あっても軽度であることが特徴です。健康について高い不安があり、身体確認、情報検索、受診、保証を求める行動、または医療を避ける行動が続きます。
ICD-11では、Hypochondriasis (health anxiety disorder) を強迫症または関連症群に位置づけ、重大な病気への持続的なとらわれや恐怖、身体感覚の破局的な受け止め、反復する健康関連行動または回避、生活機能への影響を重視します。診断体系により名称や分類は異なりますが、診療では本人が困っている不安と行動を具体的に扱います。
「心気症」という呼び方について
「心気症」は以前広く使われた呼称ですが、偏見や「身体症状を気のせいにされた」という受け止めにつながりやすいため、本ページでは主に「健康不安」「病気不安症」と表記します。DSM-5では旧来の心気症が病気不安症や身体症状症などへ再整理されました。一方、ICD-11には現在も Hypochondriasis という名称が残るため、医学的に完全に廃止された用語という意味ではありません。
感じている苦痛は現実のものです。病気不安症は、症状を意図的に作ることや、嘘をつくことを意味しません。不安に伴う動悸、息苦しさ、めまい、筋緊張、胃腸症状などが加わり、それをさらに病気の兆候と受け取ることもあります。
健康不安では、心配の内容だけでなく、安心を得るための行動が結果として不安を長引かせていることがあります。
身体感覚、健診結果、病気のニュース、身近な人の発病、医療体験など。
「これは重大な病気の証拠だ」「医師が見落としたかもしれない」と受け取ります。
注意が身体に集中し、動悸、息苦しさ、めまい、痛みなどが強く感じられます。
検索、測定、身体確認、受診、質問を繰り返すか、反対に医療や活動を避けます。
一時的に楽になっても、「次も確認しないと危険」という学習が強まります。
別の感覚や情報が新たなきっかけとなり、同じ循環が始まります。
治療では、症状を無視する練習をするのではありません。医学的に必要な受診判断を残したうえで、過剰な注意、破局的な解釈、確認と回避の循環を少しずつ変えていきます。
病気不安症には、安心を求めて医療や確認に近づくタイプと、怖さから医療や健康情報を避けるタイプがあります。両方が時期によって入れ替わることもあります。
頻回の予約、救急受診、同じ検査の反復、複数医療機関への相談、家族への質問、身体の触診、健康サイトやSNSの検索、測定機器の反復使用などがみられます。
悪い結果を聞くのが怖くて診察、健診、採血、画像検査を避ける、処方薬を飲まない、病気を連想する場所や人、運動や外出を避けることがあります。
適切な受診や情報収集と、健康不安による反復行動は、回数だけでは区別できません。「何を確認したいのか」「安心はどれくらい続くか」「医師の説明後も同じ目的で繰り返しているか」「生活がどれほど制限されているか」を確認します。
医療を避けるタイプでは、必要な健診や治療まで中断しないことが重要です。治療は「病院に行かない練習」ではなく、必要な医療にはアクセスし、不安だけを下げるための受診や回避を調整する作業です。
診断は、問診票や一回の検査結果だけでは確定しません。診察では、次の情報を組み合わせて評価します。
怖い病気、きっかけ、経過、病名が変化してきたかを確認します。
発症時期、強さ、持続、増悪因子、新しい変化、身体科での評価を確認します。
検索、測定、受診、家族への質問、活動・医療の回避を具体的に整理します。
DSM-5-TRの病気不安症では、とらわれが少なくとも6か月続くことを目安とし、途中で怖い病名が変わる場合も含みます。
仕事、家事、睡眠、外出、人間関係、医療費や時間への影響を確認します。
既往歴、家族歴、年齢、症状の性質、薬剤、健診歴などを確認します。
うつ病、強迫症、パニック症、全般不安症、双極症、睡眠や物質使用の問題などを確認します。
希死念慮、自傷・他害の危険、精神病症状、セルフケアの低下、緊急の身体症状を確認します。
健康不安の質問票は、重症度や経過を共有する補助として役立つことがありますが、得点だけで病気不安症を診断したり、身体疾患を否定したりすることはできません。初診当日に診断が確定しない場合もあります。
病気不安症があっても、身体疾患にかからないという意味ではありません。身体疾患と健康不安が併存することも、治療中に新しい病気が生じることもあります。精神科・心療内科での相談歴を理由に、新しい症状を一律に不安として扱うべきではありません。
診察では、これまでの診断、検査の対象と時期、結果、その後の症状変化を確認します。身体疾患が疑われる場合、過去の評価が不十分な場合、症状が新しく出現または明らかに変化した場合は、内科など適切な診療科での評価を案内します。当外来で実施できない検査は、他科・他院への紹介が必要です。
正常結果の意味
検査結果は、実施した時点と検査対象についての医学的情報です。「将来を含めて、あらゆる病気が絶対にない」という保証ではありません。一方、臨床的な必要性を確認せずに同じ検査を重ねても、安心が短時間しか続かず、次の疑いにつながることがあります。追加検査は症状、経過、所見、リスクに基づいて判断します。
定期健診、持病の通院、医師が必要と判断した検査や治療まで控えるものではありません。身体面の主治医がいる場合は、可能な範囲で情報を共有し、受診先と役割を整理することが役立ちます。
健康への強い心配は、複数の身体疾患・精神疾患でみられます。病名より先に、何が不安の中心で、どのような行動と機能低下があるかを確認します。
内分泌、循環器、神経、感染症などの身体疾患、処方薬、カフェイン、アルコールその他の物質による症状を検討します。
病気不安症は病気への恐怖が中心で身体症状は軽いことが多く、身体症状症などでは苦痛な症状とそれへの過度な注意や反応が中心です。
病気への疑いと確認が似ますが、汚染、加害、間違いなど他の強迫観念や儀式行為も含めて評価します。
急な発作と、その再発や発作の結果への恐怖が中心かを確認します。
健康だけでなく、仕事、家族、金銭など複数の生活領域への制御しにくい心配が続きます。
抑うつに伴う悲観的な健康観、躁状態・混合状態、睡眠や活動性の変化を確認します。
病気であるという確信が固定し、現実検討が大きく低下している場合や、幻覚・思考のまとまりにくさがある場合は別の評価が必要です。
重大な病気よりも、外見上の欠点へのとらわれが中心です。
注射や血液への恐怖、実際の病気・死別・医療体験後の反応を区別します。
病気不安症は、症状を意図的に作ったり、利益のために装ったりする状態ではありません。
既に身体疾患がある方や、遺伝・曝露などから医学的リスクが高い方では、状況に相応な心配を病気不安症と誤って扱わないよう、より慎重に判断します。
初診では「病気ではない」と説得することだけを目的にせず、身体面の安全確認と健康不安の評価を並行して進めます。
現在もっとも怖い病気、症状、検索・確認・回避、生活への影響を伺います。
既往、服薬、検査歴、新しい変化、身体科の主治医と今後必要な評価を確認します。
不安、抑うつ、強迫、パニック、睡眠、物質使用、希死念慮などを確認します。
悪循環の仮説、鑑別、身体科との役割分担を、断定を急がず説明します。
心理教育、認知行動療法的対応、薬物療法の適否、生活調整、通院間隔を相談します。
不安の強さだけでなく、確認時間、回避、仕事や生活の回復、安全性を確認します。
初診だけで診断が確定しないことや、身体科での追加評価を先にお願いすることがあります。希望した検査、診断書、薬の処方が初診で必ず行われることを保証するものではありません。
すべてを完璧に整理する必要はありません。手元にある範囲で、次の資料があると重複を避け、経過を把握しやすくなります。
処方薬、市販薬、サプリメント、過去に合わなかった薬も分かる範囲でお持ちください。
身体科や精神科の主治医がいる場合、可能であれば診療情報をご用意ください。
検査名、実施日、結果、説明内容が分かるもの。すべての資料を集め直す必要はありません。
いつ頃から、何をきっかけに、どの病気が怖くなったかを時系列で数行にまとめます。
一日の検索時間、測定回数、家族への質問、受診回数など、おおよその頻度で十分です。
欠勤、睡眠、外出、家事、家族関係で困っていることを一つか二つ挙げてください。
大量の検索結果や、考えられる病名をすべて印刷する必要はありません。「特に怖い病気」「その根拠だと感じる症状」「医師に確認したいこと」を優先すると診察が進めやすくなります。
治療目標は、「将来も絶対に病気にならない」という100%の確信を得ることではありません。必要なときには適切に受診できる判断力を保ちながら、検索や確認に生活を支配されない状態を取り戻すことです。
身体感覚、不安、注意、解釈、確認・回避のつながりを一緒に整理します。
身体科の主治医、定期受診、緊急時の目安を決め、受診先がばらばらになることを減らします。
考え方の検討、行動実験、段階的な曝露、確認を減らす練習、活動再開を行います。
併存する不安、抑うつ、強迫症状などを踏まえ、利益と不利益を個別に判断します。
睡眠、活動、検索環境、家族の対応、仕事への支障を具体的に調整します。
不安が戻ったときの行動、受診の目安、早めに相談するサインを文書化します。
すべての治療を一度に行うわけではありません。重症度、身体疾患、併存症、本人の希望、当院で提供可能な内容を踏まえて優先順位を決めます。専門的な心理療法が必要な場合は、実施可能な機関を案内することがあります。
健康不安に合わせた認知行動療法(CBT-HA)は、身体症状を否定する治療ではありません。「重大な病気かもしれない」という受け止めと、安心を得るための行動が、どのように不安を長引かせているかを共同で検討します。
きっかけ、考え、感情、身体反応、確認・回避、短い安心を見える形にします。
「重大な病気だけが説明になる」という考えを、医学的情報と実際の経過から検討します。
身体を監視し続ける状態に気づき、必要に応じて外の活動へ注意を戻す練習をします。
確認を少し遅らせたときに何が起こるかを、安全を確認した計画の範囲で確かめます。
避けていた場面に段階的に近づき、検索や保証をすぐ行わず不安の変化を観察します。
仕事、運動、家事、人付き合い、楽しみなど、病気不安で狭くなった活動を再開します。
研究では、健康不安に合わせたCBTが健康不安症状を改善し、効果が長期に維持された例が報告されています。ただし、全員に同じ効果が出るわけではなく、不安が一時的に高まる練習もあります。進め方は本人と相談し、身体面の安全を確認したうえで調整します。
必要な医学的説明と、際限のない保証は同じではありません。医師や家族から説明を受けることは大切ですが、同じ不安について確認を繰り返し、安心が数分から数時間しか続かない場合は、確認そのものが治療対象になります。
検索、測定、身体確認、質問をした時刻と回数を、大まかに記録します。
すぐにゼロを目指さず、数分から始めて、不安がどう変化するかを観察します。
無制限のSNSや体験談ではなく、主治医と合意した公的情報や受診計画を使います。
持病の管理に必要な測定は医師の指示に従い、それ以外の反復測定は目的と頻度を見直します。
不安のたびに別々に尋ねず、次の定期診察で確認する事項をメモにまとめます。
確認したくなったら、予定していた仕事、家事、休息、人との会話へ注意を戻します。
検索や測定を減らす計画は、医師から必要と指示された自己管理を中止するものではありません。血糖、血圧、服薬管理など医学的に必要な行動がある方は、その指示を優先しながら不安による追加確認を区別します。
| 記録すること | 確認する視点 | 次の診察で共有 |
|---|---|---|
| きっかけ | 身体感覚、記事、健診、家族の病気など | 新しい症状か、同じ不安か |
| 確認行動 | 検索、測定、身体確認、家族への質問 | 回数と安心が続いた時間 |
| 必要な自己管理 | 主治医から指示された測定や服薬 | 不安による追加確認との区別 |
| 戻った行動 | 仕事、家事、休息、人との会話 | 確認を遅らせた後の変化 |
怖さの強い場面に一気に取り組む必要はありません。本人の目標と安全性を確認し、小さな段階に分けます。
「仕事中の検索を減らす」「必要な健診を受ける」など、生活に結びつく目標を選びます。
不安が軽い場面から強い場面まで並べ、取り組みやすい段階を選びます。
確認しなければ何が起きると思うか、不安がどれほど続くと思うかを書きます。
検索、測定、同伴、保証の依頼を一つだけ減らし、経過を観察します。
予測と実際の違い、不安が自然に変化したか、生活でできたことを確認します。
無理のない範囲で反復し、病気不安で避けていた活動を広げます。
自己流で危険を試すものではありません
処方薬を止める、必要な受診を延期する、アレルギー物質や感染リスクにさらす、医師から制限された運動を行うことは、行動実験ではありません。身体疾患がある方は主治医の指示を優先します。
健康不安に対する治療の中心としては、健康不安に合わせた認知行動療法に比較的多くの研究があります。薬物療法は、不安、抑うつ、強迫症状、パニック症状、睡眠、過去の治療反応などを踏まえて個別に検討します。
海外の旧来診断である心気症を対象に、一部のSSRIを検討した無作為化試験があります。改善を示す結果はありますが、試験数と対象者数は限られ、現代の病気不安症にそのまま当てはまるとは限りません。
国内で用いられるSSRIの添付文書上の適応は薬剤ごとに異なり、「病気不安症」が承認適応として記載されているという意味ではありません。併存疾患の適応を含め、医師が個別に判断します。
双極症の可能性、希死念慮、妊娠・授乳、肝腎機能、併用薬、過去の副作用などを確認します。
吐き気、睡眠の変化、焦燥、性機能への影響などを確認し、開始初期や変更時は状態の変化を観察します。
急な中止で離脱症状や不安の悪化が起こることがあるため、増減・中止は処方医と相談します。
不安の点数だけでなく、検索時間、確認回数、回避、生活機能、副作用から継続の利益を見直します。
ベンゾジアゼピン系薬について
ベンゾジアゼピン系薬は、病気不安症の中核症状に対する標準的な長期治療としては推奨しません。眠気、認知・運動機能への影響、耐性、依存、離脱などを考慮する必要があります。別の目的で既に服用している方は、自己判断で急に中止せず、処方医にご相談ください。
掲載内容は、特定の薬を当院で処方すること、初診で処方すること、効果を保証するものではありません。当院で対応できる治療内容は、診察後にご案内します。
健康不安は本人だけでなく、繰り返し質問を受ける家族や、欠勤・集中困難に対応する職場にも影響します。周囲が不安を否定するだけでも、毎回答えを保証し続けるだけでも、解決しにくいことがあります。
「つらいね」と苦痛には共感しつつ、「絶対に病気ではない」と毎回答え続ける代わりに、合意した受診計画や治療で練習している対応へ戻れるよう支えます。新しい症状や急な悪化は一律に不安と決めつけません。
通院時間、短期間の業務量、休憩場所、検索しやすい環境への対策、相談窓口などを、本人の希望と業務上の必要性に応じて検討します。病名の開示範囲は本人と相談します。
家族面談、診断書、職場向け文書の作成可否は、診療上の必要性、本人の同意、当院の運用に基づいて判断します。希望どおりの休職期間、配置転換、制度利用が必ず認められることを保証するものではありません。
健康不安は、体調不良、健診、病気の報道、身近な人の発病、仕事の負荷、睡眠不足などをきっかけに再び強くなることがあります。不安がゼロかどうかだけでなく、悪循環に早く気づいて戻れるかを大切にします。
検索時間が増える、測定機器を持ち歩く、家族への質問が増えるなどを記録します。
定期受診の予定、新しい症状の相談先、緊急時の目安を主治医と確認します。
公的機関や主治医から案内された情報に絞り、深夜の検索やSNS巡回を減らします。
睡眠、食事、活動、飲酒・カフェインを整え、不安で狭くなった生活を少しずつ広げます。
確認を遅らせる、注意を戻す、考えを検討する、避けていた活動へ近づく練習を再開します。
生活への影響が増えた段階で相談し、重大な機能低下や危機になる前に計画を見直します。
不安が戻ることは治療の失敗ではありません。治療中に作成した「身体症状が変化したとき」「検索が増えたとき」「気分が落ちたとき」の対応表を使い、必要に応じて再診します。
| 記録項目 | 週の前半 | 週の後半 | 診察で共有する点 |
|---|---|---|---|
| 検索・測定 | 回数や時間 | 回数や時間 | 増減のきっかけ |
| 確認を遅らせた場面 | できた場面 | できた場面 | 不安と行動の変化 |
| 生活へ戻れた場面 | 仕事・家事・休息 | 仕事・家事・休息 | 広がった選択肢 |
| 睡眠・体調 | 大まかな状態 | 大まかな状態 | 再燃の初期サイン |
はい。正常結果を聞いても見落としへの不安が戻り、検索や確認、受診が続く状態は相談対象です。ただし、正常結果だけで病気不安症と決めず、症状の変化と検査内容を確認します。
否定されません。身体疾患と健康不安は併存できます。新しい症状、急な悪化、身体疾患を疑う所見がある場合は、身体科での評価を優先または併行します。
診断が初診で確定するとは限りません。経過、持続期間、身体面の評価、確認・回避、生活への影響、他の精神疾患を確認し、必要なら継続して判断します。
当外来は身体の精密検査や救急診療を代替しません。症状に応じて内科など適切な診療科を案内します。実施可能な検査は医療機関ごとに異なります。
全部でなくて構いません。主な検査の種類、時期、結果が分かる資料と、お薬手帳が役立ちます。資料がない場合も、分かる範囲で経過を伺います。
一気にゼロにするとは限りません。検索の目的、時間、安心が続く長さを確認し、情報源を絞る、時間を決める、少し遅らせるなど段階的に調整します。
医師から必要と指示された測定は続けます。そのうえで、不安を下げるために予定外の測定を繰り返していないかを区別し、頻度を相談します。
必要な支えや医学的説明は大切です。ただし、同じ確認が短い安心にしかならず回数が増えている場合は、共感しつつ合意した受診・治療計画へ戻る対応を相談します。
対象になります。病気不安症には医療を求め続ける形だけでなく、結果を知る怖さから医療を避ける形もあります。必要な医療まで避けないよう段階的に支援します。
いいえ。症状や苦痛を否定せず、危険の受け止め方、注意の集中、確認・回避の働きを一緒に検討し、必要な受診を保ちながら行動の幅を広げます。
薬の適否は個別判断です。海外ではSSRIの研究がありますが研究数は限られます。併存する不安や抑うつ等も踏まえ、心理療法や生活調整と合わせて検討します。
「病気不安症」が国内添付文書上の承認適応として記載されているという意味ではありません。薬剤ごとの適応、併存疾患、利益と不利益を医師が確認します。
病気不安症の標準的な長期治療としては推奨しません。既に服用している場合も急に中止せず、眠気、依存、離脱などを含め処方医と見直してください。
期間は症状、併存症、身体疾患、治療内容によって異なります。検索時間や確認回数、回避、生活機能など複数の指標で経過を確認し、計画を調整します。
併存することがあります。どの症状を先に治療するかを検討します。重症度や必要な専門治療によっては、対応可能な医療機関へ紹介します。
通院、業務量、休憩、検索環境などは相談できます。診断書や職場向け文書の可否、記載内容は診療上の必要性と本人の同意、当院の運用に基づいて判断します。
本ページは成人向けの案内です。18歳未満の方は、小児・児童思春期を扱う医療機関など、年齢と相談内容に合う受診先を予約前にご確認ください。
待たないでください。突然の強い胸痛や呼吸困難、意識障害、片側の麻痺など緊急症状は119番へ連絡します。緊急性に迷うときは、利用地域の#7119など救急相談を利用してください。
病気不安症の治療中でも、身体の急変を我慢する必要はありません。また、通常の外来予約では安全を保てない精神状態では、緊急支援を優先します。
突然の強い胸痛、強い呼吸困難、意識を失う、けいれん、顔や手足の片側の麻痺・ろれつが回らない、突然これまでにない激しい頭痛、大量出血などがある場合は、この外来の予約を待たず119番へ連絡してください。ここにない症状でも、緊急性が高いと感じる場合は119番を利用してください。
救急車を呼ぶべきか、今すぐ受診すべきか迷う場合は、利用地域の救急相談窓口を確認してください。#7119は実施地域で、医師、看護師、救急救命士等から受診や救急要請について助言を受けられる仕組みです。利用できる地域や時間は各自治体で異なります。
自分や他人を傷つけるおそれが差し迫っている、幻覚・妄想や強い混乱があり安全を保てない、食事や水分を取れないほど状態が悪化している場合も、通常予約を待たず119番などの緊急支援につないでください。
身体疾患を疑う所見、精密検査の必要、重い強迫症・うつ病・双極症、精神病症状、依存症、摂食障害、認知機能の問題、専門的なCBTや入院治療が必要な場合などは、内科・各専門科、総合病院、精神科専門医療機関等へ紹介することがあります。
このページは一般的な情報であり、個別の症状の緊急度や診断を判定するものではありません。
診療では個別の状態と最新の添付文書・診療情報を確認します。以下は本ページの用語、診断、治療、安全案内の作成に参照した公式資料および主要な一次研究です。