「布団に入ってからもSNSやメールを見続けてしまう」。この習慣は、眠りの質をじわじわ下げ、不安やイライラ、翌日の集中力低下につながります。夜の強い光や刺激は体内時計を遅らせ、入眠を妨げます。さらに、スクロールで感情が揺さぶられると脳が“活動モード”のままになり、浅い睡眠や中途覚醒が増えます。睡眠はうつ・不安・ストレスの安定に直結する土台。ここでは日吉エリアで働く忙しい方にもすぐ始められる、現実的な対策をまとめます。
1)就寝90分前から「夜の光」に切替える
部屋の照明をやや落とし、色味は電球色寄りに。PC・スマホはナイトモードとダークモードを併用し、画面輝度を自動調整に。ブルーライトだけでなく、“見る行為”自体が覚醒を促すことを忘れずに。
2)通知は“時間で設計”する
就寝2時間前以降は、スマホを別室充電か、睡眠モード/おやすみモードに固定。家族・職場など本当に必要な相手だけ例外設定にして、その他は翌朝まとめて対応。これだけで入眠の邪魔が大幅に減ります。
3)寝床=睡眠の条件づけをつくる
横になっての長時間スマホは「ベッド=覚醒」という学習を強めます。布団では見ない、どうしても気になる時は椅子で短時間だけ見る——この線引きが、数日で寝つきの改善につながります。
4)昼のスクリーンタイムを“分散”する
日中の長すぎる画面時間は、夜の眠気を鈍らせます。60〜90分ごとに目を休め、会議の合間に30〜90秒のマイクロ休息や軽いストレッチを。昼寝は15〜20分、16時以降は避けるのが目安です。
5)朝の光でリズムを前倒しする
起床後はカーテンを開け、屋外の自然光を浴びる習慣に。朝の散歩や通勤での“光の摂取”は、夜の入眠を助け、メンタルの波も整えます。休日も起床時刻を大きくずらさないことがコツ。
これらは完璧主義でなく“だいたい”で十分。まずは「夜の通知を時間で区切る」「スマホは寝室に持ち込まない」の2点から始めましょう。睡眠が整うと、日中の不安の暴走や怒りの衝動が和らぎ、仕事の判断、対人関係、学習効率まで好循環が回り出します。もし、寝つきの悪さや早朝覚醒、日中の強い眠気が3週間以上続く、気分の落ち込みが重なる、といった場合は、専門的な評価や治療が役立ちます。認知行動療法(睡眠衛生・刺激制御・行動活性化)やカウンセリング、必要に応じた薬物療法の併用で改善が見込めます。
今夜からのチェックリスト:①就寝2時間前に通知を停止、②寝室に充電器を置かない、③朝は窓際で2分深呼吸。これだけでも寝つきが早くなり、中途覚醒や朝のだるさが軽くなる方が多いです。「続けやすさ」を第一に、小さな工夫を積み上げましょう。