頑張り続けるほど成果が下がる。そんな悪循環を断つ鍵が、30秒〜5分の小休止=マイクロブレイクです。最新の研究では、短い休みでも注意力・作業成績・活力が改善し、仕事の満足度も上がることが示されています。たとえば短い休憩の積み重ねで注意力が回復し、操縦士の仮眠研究でも20〜30分の眠りが覚醒度と成績を大きく改善しました。ポイントは「こまめに、意図して、体と目と呼吸を切り替える」こと。
おすすめは、集中55分+休憩5分、あるいは25分+2〜3分。休憩中は①立ち上がって肩甲骨・股関節をゆっくり回す②30秒だけ遠くを眺める③4秒吸って6秒吐く呼吸を3〜5セット④コップ1杯の水分補給。座りっぱなしを1時間超えさせない工夫が、午後のだるさと腰肩のこりを減らします。会議も50分で区切り、最後の5分は立って次の準備を。
取り入れ方のコツは、アラームではなく「行動トリガー」。メール送信3通ごと、資料1ページ作成ごと、オンライン会議の前後など、作業の節目に立つ・伸ばす・深呼吸を自動化します。チームでは「毎時55分に1分だけ立つ」など共通ルールにすると、周囲の目を気にせず続けられます。
午後の眠気には、短い仮眠が有効です。20〜30分の「パワーナップ」は覚醒度と成績を高める一方、30分超の長い昼寝は寝起きのだるさや夜の不眠の原因に。仮眠は午後早めに取り、目覚ましをセットしたら目を閉じるだけでOK。起きた直後は無理に判断をせず、軽いストレッチで脳を起こしてから仕事に戻ります。カフェイン入りの飲み物を飲んでから15分寝る“カフェインナップ”も一案です。
睡眠との両立も忘れずに。夕方以降のカフェインは眠りを浅くします。コーヒー・エナジードリンクは就寝6時間前までに切り上げ、代わりに白湯やデカフェへ。遅い時間の運動は軽めに留め、就床前はスマホを遠ざけて、照明を少し落とす。昼間こまめに休むほど、夜の深い眠りも取り戻しやすくなります。1日の終わりに「休憩ログ」を振り返り、翌日の働き方に反映させれば、集中の質が安定します。
お困りの際は、当院やカウンセリング等の専門支援をご活用ください。疲労の背景に睡眠障害や不安障害が隠れていないかを確認し、働き方に合わせた休憩・仮眠・睡眠改善の計画づくりをお手伝いします。