心のクリニック 医療コラム
2025年9月15日
頼み方を整えると人間関係は軽くなる——感謝→具体→余白

人に何かをお願いするとき、言い方ひとつで印象も結果も変わります。おすすめは「感謝→具体→余白」の順番。まず「いつも助かっています」と関係性への感謝を短く添える。次に依頼内容・期限・優先度を一文で明確にする(例:「本日18時までに、この2行だけ確認をお願いします。優先度は高めです」)。最後に「難しければ遠慮なく」「できる範囲で大丈夫です」と相手の裁量を残す一言を入れると、受け手は“断る自由”を感じ、かえって協力しやすくなります。

さらに、頼む側が自分の中で「実行計画」を用意しておくと、相手の負担を減らせます。例えば「明朝9時までにこの表だけチェック→修正は私が反映→10時に送付」と“いつ・どこで・どうする”を示す。こうした具体化は、行動に移すまでの摩擦を下げ、約束の履行率を高めます。依頼メッセージの末尾に「手順:①確認②返答(OK/修正点)③私が反映」と添えるだけでも効果的です。

注意したいのは、長い前置きや自己弁護、曖昧なお願い。情報量が多いほど相手の脳の処理負荷が増え、結論が見えにくくなります。結論→根拠→補足の順に並べ、不要な謝罪を重ねないこと(「忙しいところ申し訳ありません」を一度だけ)。また、「お時間あるときに」は先送りを招きがち。期限がないなら「今日中に一度だけ目を通して、難しければ明日でOK」と“幅のある締切”を提案しましょう。

テンプレ例: 1)感謝「先日の資料、とても助かりました」 2)具体「明日12時までに、添付の3ページ目だけコメントをお願いします」 3)余白「難しければ、夕方でも構いません」 4)フォロー「反映は私が行い、最終版を共有します」

頼み方はスキルです。今日からテンプレ化して、伝え方の“標準装備”にしましょう。