最近、うつ・不安・適応障害のご相談で「このままでは壊れそう」という声が増えています。ポイントは、限界まで頑張る前に「休む設計」を組み込み、睡眠・食事・運動・コミュニケーションを小さく整えること。脳はストレスがかかるとセロトニンのはたらきが乱れ、意欲や集中を支えるドーパミンの分泌も不安定になります。土台である睡眠と生活リズムを整えるだけで、回復のスピードは大きく変わります。
まずは“朝”。起床後30分以内に日光を浴びて10分歩く。体内時計がリセットされ、夜の眠りが深くなります。朝食はタンパク質とビタミンB群を意識。昼は短時間の散歩と水分補給、夕方以降はカフェインを控える。就寝90分前にスマホ・PCを閉じ、ぬるめの入浴で体温を一度上げ、寝る前にゆっくり下げる。これだけで睡眠の質は改善します。
具体的な“回復週間ルーティン”の例も挙げます。月:通勤時間に近い時刻に起床し散歩15分。火:25分作業+5分休憩を4セット(ポモドーロ法)。水:カウンセリングや認知行動療法で不安の整理。木:在宅での軽作業や読書を60〜90分。金:上長と面談し、復職に向けた業務量・残業の上限・在宅可否を合意。土日:スマホのスクリーンタイムを設定し、家族や友人と過ごす。ToDoは“3つだけ”に絞り、達成できたら終了。やり過ぎないことが、うつ・不安の再燃予防になります。
心が折れかけた時の“初動”も準備しておきましょう。サインは①朝の強い億劫感や動悸、②遅刻・欠勤の増加、③ミスの反すう、④睡眠の中途覚醒。二つ以上当てはまったら上長・人事に早めに相談し、医療機関で診断を受ける。必要なら休職を選び、会社の規程と傷病手当金の流れを確認。復職は「生活リズム→段階的作業→職場調整」の三段階で、無理なく戻すのが鉄則です。
復職時は、産業医・人事・主治医の三者連携が重要です。主治医意見書に沿って、短時間勤務や静かな席、電話や接客の免除、段階的な責任の付与など具体的な配慮を設定。眠気や体調に影響する薬の調整は主治医と相談し、いきなりのフル稼働は避けましょう。必要に応じてリワークプログラムの利用も検討すると、生活と仕事のリズムが滑らかに繋がります。 川崎・横浜・武蔵小杉周辺で、適応障害やパニック、不眠症、ストレス関連障害による休職・復職のご相談も増えています。迷ったら早めの受診が回復への近道です。
コミュニケーションも回復の鍵です。伝える時は「結論→理由→お願い」の順で簡潔に。聴く側は、相手の言葉を要約して確認し、評価や助言は急がない。雑談を侮らず、天気・昼食・週末の予定など“安全な話題”で接点を増やすと、困った時に助けを求めやすくなります。日々のセルフケアとして、寝る前に「今日できた3つ」をメモし、感謝を一行だけ書く。過度な反省の反すうを減らし、現実的な自信を積み上げます。
「会社で壊れそう」と感じたら、ひとりで抱え込まず専門家へ。