忙しさやストレスで心が揺らぐとき、「正しい順番のセルフケア」を日常に差し込むと、回復のスピードが上がります。うつ・不安・適応障害でお困りの方、休職や復職を考えている方、まずは次の5ステップを一週間だけ試してみてください。
1)起床後30分の“外の光”
カーテンを開けるだけでは足りません。ベランダや玄関先で数分でも日光を浴びると体内時計が整い、睡眠リズムとセロトニン活性が安定します。夜の寝つきや中途覚醒の改善にもつながります。
2)咀嚼+タンパク質の朝食
卵・納豆・ヨーグルト・魚などを主役に、ゆっくり噛んで食べましょう。咀嚼は自律神経を落ち着かせ、気分の波をなだらかにします。朝のカフェインは量を控えめにし、昼以降は摂り過ぎに注意。
3)15分の軽い運動
散歩、階段昇降、ラジオ体操で十分です。筋肉を動かすと不安に偏りがちな注意が外へ向き、脳内の報酬系(ドーパミン)のバランスが整います。できれば昼休みにもう一回、3〜5分の“マイクロ運動”を。
4)言葉のメンテナンス
「今日できた3つ」を短文で書き出し、誰か一人に“良かった点”を伝えます。言語化は気分の混線をほどき、対人関係の安心感を育てます。会議や雑談が苦手な方は、要点→理由→一言の順で話す/聴くを練習しましょう。伝え方・聞き方の工夫は、職場ストレスの減少に直結します。
5)境界線を決める
復職・就業継続には「やらないことリスト」が不可欠。夜間の通知オフ、残業の上限、引き受けるタスクの条件を“宣言文”にして手帳やスマホに保存。主治医や産業医、上長と共有すれば、適応障害の再燃予防になります。
――ここまでを一週間続けると、睡眠の質、朝の気分、集中力、他者との距離感が少しずつ整います。変化が乏しいときは、①光の量(屋外時間)②運動の頻度③就寝前のスマホ時間の3点を先にテコ入れしましょう。薬物療法とカウンセリング、生活調整の“三本柱”を並行すると回復が加速します。休職中は「午前ルーティン+昼の短い外出」を核に、復職前には“時刻・作業・休憩”のシミュレーションを段階的に行うのがおすすめです。