心のクリニック 医療コラム
2025年9月26日
朝のリズムで整える、心と仕事のコンディション管理

忙しさが続くと、「気力はあるのに体がついてこない」「集中が数分で切れる」「ささいな一言に過敏になる」といった変化が現れます。これは甘えではなく、脳と自律神経の疲労サイン。放置すると不眠や胃腸症状、出社困難へと広がります。今日は、毎朝の“立て直しルーティン”で心身を整える方法をまとめます。

まずは睡眠。目安は起床時刻の固定です。休みの日も±1時間に収め、起きたらカーテンを開けて朝光を浴び、コップ一杯の水で体内時計をスタート。ベッドの中でスマホを見続けると再入眠や寝つきの悪化につながるため、アラーム停止後はいったん離れましょう。眠れない夜が続くときは、布団で長く“頑張らない”。20分で目を閉じるのをやめ、いったん起きて静かな作業に切り替えるのがコツです。

次に心の“燃料補給”。朝の5分で「今日やらないこと」を1つだけ決め、優先タスクを最大2つに絞ると、達成感が回復します。通勤中は深呼吸4回だけでもOK。息を長めに吐く呼吸は自律神経のブレーキになり、緊張を落ち着かせます。人間関係が重たい日は、挨拶+要点+感謝の3点セットで短く伝える“低刺激コミュニケーション”を意識すると衝突が減ります。

午後の失速には、糖質とカフェインの“一気飲み・食べ”を避け、小分けの水分とたんぱく質の軽食を。夕方以降は強い光と長風呂を控え、就寝90分前に湯舟、就床前はぬるいシャワーか足湯にすると寝つきがスムーズです。3週間つづけても改善が乏しい、動悸やめまい・朝の絶望感が強い、涙が止まらない――そんなときは、一人で抱え込まず専門医へ。