心のクリニック 医療コラム
2025年9月12日
朝のドーパミン活性で一日を変える習慣

早朝にカーテンを開けて強い自然光を浴びると、脳内の覚醒物質ドーパミンが活性化し、モチベーションや集中力が高まります。同時に体内時計がリセットされ、夜の眠気を誘うメラトニンの分泌タイミングも整います。

ポイントは「光・運動・タンパク質」の三拍子。起床後30分以内にベランダや窓辺で背筋を伸ばし、5分のストレッチや軽いスクワットを行いましょう。筋肉を動かすことで血流が促進され、ドーパミン合成に必要なアミノ酸が脳へ届きやすくなります。その後、卵やヨーグルトなど高タンパク質の朝食をとることで原料のチロシンを補給できます。

さらに朝の10分ウォーキングを加えると視覚刺激とリズム運動が相乗し、前頭前野の血流が上昇して意思決定能力が向上するという報告もあります。スマホのチェックは散歩後まで控えると、余計な情報でドーパミンを消耗せず集中力を長時間キープしやすくなります。

平日だけでなく休日も同じ時刻で続けると、約2週間で「自然に目が覚める」リズムが形成されます。休日の寝坊は体内時計を遅らせる原因になるため、起床時間は1時間以内のずれにとどめましょう。夜はブルーライトを避け、寝る90分前に入浴して深部体温を上げると自然な眠気が訪れます。

なお、ドーパミンは腸内細菌の代謝物からも影響を受けるため、発酵食品や食物繊維を昼食に取り入れると午後の眠気防止にも役立ちます。夕方以降に過度なカフェインを摂ると夜間のドーパミンサイクルが乱れるので、緑茶やデカフェへの切り替えがおすすめです。習慣が定着すると「やる気は待つものではなく、自分で作り出せるもの」という感覚を得られるはずです。