朝は太陽光を浴び、夜は光を減らす——この当たり前の習慣が、こころと体の土台をつくります。起床後30分以内に外の光を20分ほど浴びると体内時計がリセットされ、日中はほどよい覚醒、夜は自然な眠気が訪れます。睡眠の質が上がると、うつ・不安・適応障害の回復速度も上がり、集中力や判断力も戻りやすくなります。
さらに、朝の軽い散歩やストレッチは、セロトニンの働きを助け、イライラや過緊張の鎮静に役立ちます。朝食でタンパク質とビタミンB群をしっかり摂ると、日中のエネルギー切れを防ぎ、午後の甘い物ドカ食いも抑えやすくなります。
日中は“タスクを小分け”に。難題を3〜5分の着手サイズまで砕くと、達成の手応えがドーパミンの健全な分泌につながり、先延ばしを減らせます。メールは「即答」「保留」「捨てる」の3択で処理し、脳の負担を減らしましょう。雑談や報連相の前に「目的・要点・結論」をメモで言語化すると、伝える力と聞く力の両方が整い、対人ストレスが下がります。
夜は“減らす工夫”がカギ。就寝90分前から強い光と情報の刺激(ニュース巡回・SNS無限スクロール)を控え、ぬるめの入浴で深部体温をいったん上げて下げる流れをつくります。ベッドでは「眠る以外の行為」を避け、寝つけなければ一度起きて静かな行動に切り替えましょう。“眠ろうと頑張るほど眠れない”悪循環から抜け出せます。
心が折れそうなときは、環境調整と休職・復職の選択肢を早めに検討しましょう。目安は「集中が続かない」「同じミスが増える」「出勤前に強い動悸や吐き気」などが2週間以上続く場合。産業医や上長へ“事実ベース”で共有し、業務の強度・量・時間帯を段階的に調整します。復職ステップは①睡眠安定②日中の活動量回復③短時間勤務からの段階的拡大④役割の再設計、の順が基本です。家では“回復ルーティン”(朝散歩・3食・入浴・就寝リズム)を死守し、通院とカウンセリングで客観的な指標(睡眠時間、活動量、気分日記)を見える化しましょう。
最後に、“感謝のメモ”を1日1行。小さな出来事を言葉にすると、注意が「できていないこと」から「できたこと」へ移り、自己効力感が回復します。心療内科・精神科での治療と、生活のミクロ習慣を組み合わせることが、最短の改善ルートです。
心の負担が続く方は、専門家の伴走を活用してください。