寝室の環境は、寝つきと途中覚醒、目覚めの質に大きく影響します。基本は「暗い・静か・やや涼しい」。照明や電子機器の光はメラトニン分泌を抑え、寝つきを遅らせます。まずは寝室の光・音・温湿度・寝具を見直しましょう。
1) 光の整え方
・就寝前は部屋をできるだけ暗くする。常夜灯は基本オフ(転倒リスクの高い方は足元灯を最小限に)
・遮光カーテン、アイマスクで光漏れを防ぐ。朝日で自然に起きたい場合は、遮光をやや弱めに調整
・時計や家電の表示ランプは覆う、スマホは裏向きか寝室外へ
・就寝1~2時間前からは電球色などの暖色・低照度に切り替える
2) 温度・湿度・空気
・室温目安:夏は24℃前後、冬は20℃前後(寒がり・暑がりで前後)
・湿度目安:通年で50~60%程度
・エアコンや除湿・加湿を自動で弱運転にし、夜間も切らずに安定運転にすると寝汗・乾燥を抑えやすい
・換気は日中に行い、就寝時は外気の騒音・花粉状況に応じて調整
・花粉や粉じんが気になる季節は空気清浄機を弱~自動で連続運転
3) 音のコントロール
・理想は静かな環境。難しい場合は耳栓やイヤーマフ、一定の環境音(ホワイトノイズ、扇風機の風音など)で外音をマスク
・目覚ましは振動式や小音量+段階上昇タイプに
4) 寝具・パジャマ
・マットレスは「体圧分散」と「姿勢保持」のバランスが大切。腰だけ沈まないものを
・枕は後頭部ではなく首のカーブを支える高さ・硬さに調整
・掛け布団は季節に合わせて重ね着け。体幹は保温、頭は涼しめ(頭寒足熱)
・パジャマは吸湿性・通気性が良い素材を選び、汗冷えを防ぐ
・シーツは週1回程度の洗濯、枕カバーは汗・皮脂が多い方はより高頻度で
5) レイアウトと習慣
・ベッドは「眠る場所」に限定。長時間のスマホ・動画・作業は別の場所で
・ペットと同室・同寝の場合は動きや起床時刻のズレが睡眠を分断しやすい点に注意
・香りは好みが合えば微香のアロマを就寝30分前に。強い香りは逆効果になり得る
・ナイトテーブルは低め・角の少ないものにし、夜間トイレ動線を安全に
6) 季節ごとのコツ
・夏:就寝90~120分前の入浴で一度体温を上げ、自然な体温低下で眠気を促す。寝具は接触冷感を使いすぎず、冷えすぎに注意
・冬:寝室の乾燥対策(加湿・洗濯物の室内干しなど)。布団内は温かく、顔・頭は涼しく保つ
・梅雨~秋雨:除湿器やエアコンのドライで結露・かび対策。寝具のこまめな乾燥を
■ありがちな困りごとと対処
・明け方がまぶしい:遮光カーテン+サイドの光漏れをマグネット・テープで補強、アイマスク併用
・夜間に暑くて目が覚める:エアコン弱連続運転に切り替え、寝具を一枚軽くする
・乾燥して目・のどが辛い:湿度を50~60%へ。枕元に小型加湿器、就寝前の水分少量
・足が冷える:就寝30分前にレッグウォーマーや湯たんぽで足背を温め、寝入ったら外す
・パートナーのいびき・寝返り:耳栓・ホワイトノイズ、別毛布方式、就寝・起床時刻の微調整
■ポイント
・基本は「暗い・静か・やや涼しい」。夏24℃前後、冬20℃前後、湿度50~60%を目安に安定運転
・光は最小限。常夜灯は基本オフ(安全配慮の足元灯は最小限)。遮光カーテン・アイマスクを活用
・音は遮音かマスキング。耳栓や一定の環境音が有効
・寝具は体圧分散と姿勢保持を重視。枕は首のカーブが基準、パジャマは吸湿・通気性
・ベッドは睡眠の場所に限定。デバイスは就寝1~2時間前から減光・使用時間短縮
・季節に応じて入浴・除湿・加湿を調整。困りごとはピンポイント対策で解決を