心のクリニック 医療コラム
2025年9月23日
忙しい人のための「心の回復ロードマップ」——今日から整える3つの土台

毎日をこなすだけで精一杯になると、気分・集中・睡眠は同時に崩れがちです。そんなときは、専門的な知識がなくても実行できる「土台づくり」に戻るのが近道。ここでは①眠りの環境、②言葉で整える習慣、③頼れる人と仕組みの三つで、明日の自分を助ける方法をまとめます。

①眠りの環境
起床時刻をまず固定し、朝はカーテンを開けて光を取り入れましょう。夜は就寝30分前にスマホを離し、寝室を静か・暗め・涼しめに。夕方以降のカフェインや就寝前の飲酒は眠りを浅くするため控えめにします。短時間の昼寝は午後早め、20分以内が目安です。夕食は就寝3時間前、運動は数時間前までに済ませ、朝に軽く散歩できると理想的です。

②言葉で整える習慣
不安やモヤモヤは「見える化」すると扱いやすくなります。寝る前に5行だけ“今日できたこと”と“ありがたかったこと”を書き出す、心配事は「後で考えるメモ」に退避する——それだけで思考の渋滞がほどけ、眠りにも良い影響が生まれます。感情の名前を具体的につける(例:いら立ち・不安・安堵)ことも有効です。

③頼れる人と仕組み
つらさが数週間続く、仕事内容や人間関係が原因で悪化する——そんなときは一人で抱えず、医療機関や産業医、上司・人事へ早めに相談を。休業や職場調整は「逃げ」ではなく、健康を守りキャリアを長く続けるための戦略です。復帰は段階的に、主治医の意見や職場の支援制度と組み合わせて進めましょう。