月曜の朝が重い、仕事中に不安が波のように押し寄せる、夜になっても頭が冴えて眠れない。そんなサインは、うつや不安、適応障害の前触れとして現れることがあります。いきなり休職や復職計画を立てる前に、今日から実行できる小さな行動で、ストレス耐性と回復力を底上げしましょう。ここでは脳と体の仕組みに沿ったマイクロ習慣を7つご紹介します。どれも数分で完了し、精神科や心療内科の治療、カウンセリングとも両立しやすい内容です。
朝の光を浴びる
起床後30分以内に屋外の自然光を1〜5分。体内時計が整うと睡眠の質が上がり、メラトニンの分泌リズムが改善します。気分安定に関わるセロトニンの活性も期待できます。
たんぱく質先行の朝食
卵、納豆、ヨーグルト、魚などを少量でも。神経伝達物質の材料を確保することで、午前の集中と穏やかな気分を助けます。甘い菓子やエナジードリンクは血糖の乱高下で不安を誘発しやすいので控えめに。
90分ごとの休憩リセット
作業は90分を目安に区切り、立ち上がって肩と股関節を回す。視界を遠くに移し、深呼吸を3回。交感神経優位が続くとドーパミンの使いすぎで消耗します。短い休憩でブレーキを利かせましょう。
歩行と日中の軽い運動
通勤の一駅分ウォーク、階段利用、昼休みの5分ストレッチ。運動は睡眠の深さや不安の軽減に寄与し、復職後の集中力維持にも役立ちます。激しすぎる運動は逆効果になることもあるため、会話ができる程度の強度で。
夕方のカフェイン打ち切り
カフェインは半減まで数時間。15時以降を目安に控えれば、入眠がスムーズになり中途覚醒も減ります。睡眠が整うと翌日の不安耐性と意欲が回復し、悪循環を断ち切れます。
寝る前の“1行ノート”
今日できた小さなことを1つだけ書く。達成の再学習が不安思考の暴走を止め、自己効力感を補充します。長文は不要。継続しやすさが最優先です。
つながりの予定を先に入れる
週に1回、誰かと会う、電話する、オンラインで雑談する予定を先にカレンダーに固定。孤立はストレスを増幅させます。オキシトシンの分泌を促す関わりが、心のクッションになります。
これらは「頑張るための根性論」ではなく、体内時計、神経伝達、筋骨格の基礎に支えられた実用的な工夫です。もし既に不眠、食欲低下、涙もろさ、集中困難、朝の強い抑うつ感、職場での著しい不適応などが続いている場合は、早めに専門家へ。休職が必要なケースでは、主治医と連携して復職の段階設計を行い、環境調整や労務手続き、通勤訓練、リワークを含めて無理なく進めましょう。自己判断だけで我慢を続けることは、回復を遅らせます。
当院では、うつや不安、適応障害の診断と治療、睡眠の相談、休職・復職の支援、カウンセリングまで一体的にサポートします。