眠りには「リラックスのスイッチ」を入れることが欠かせません。緊張や不安で体と心が高ぶっていると、寝つきは遅くなります。15秒‐深呼吸法は、ゆっくり長めの呼吸で自律神経の興奮をしずめ、入眠を助ける方法です。
■まず知っておきたいポイント
・吸う息よりも、吐く息を同じか少し長くするほど落ち着きやすい
・胸を大きく広げる呼吸より、下腹部がゆっくり上下する腹式呼吸が向いている
・「正しくやろう」と頑張り過ぎず、楽に続けられるテンポで
■やり方(ベッドの中で静かに)
姿勢
・仰向け、横向き、いすに座るのいずれでも可。肩と顎の力を抜く
・片手を胸、もう片手をお腹に置き、お腹の手が上下しているかを確認
手順(1セット=約15秒)
1)鼻から7~8秒かけて静かに吸う(お腹がふくらむのを感じる)
2)口をすぼめて7~8秒かけてゆっくり吐く(ロウソクの火を揺らす強さ)
3)これを4セット、合計およそ1分
■うまくいくための工夫
・照明は落として、視線は一点に固定しない
・スマホのタイマーは使わず、頭のカウントで。画面を見ると覚醒しやすい
・吐くときに肩が上がってしまうなら、片手をみぞおちに当て、力みを確認
・お腹の上に薄いタオルを置くと腹式呼吸の感覚がつかみやすい
■こんな場面でも役立ちます
・入眠前、夜間覚醒時の再入眠
・不安やパニックの前ぶれ、イライラ・焦りが強い時
・集中が途切れて作業に戻りたい時、緊張する前の準備呼吸として
■よくあるつまずきと対策
・カウントが気になって落ち着かない
→ 4往復だけ数える、と枠を決める。数えず「ゆっくり吸う/ゆっくり吐く」の言葉繰り返しでも可
・胸式になってしまう
→ 手をお腹に置き、「手を持ち上げるように吸い、下ろすように吐く」と意識
・やっても眠れない
→ 1~2分やって眠気が来なければ、いったん布団を離れて薄暗い部屋で単調な行動を。眠気が戻ったら再入床(刺激制御の原則)
■ポイント
・15秒‐深呼吸法は「ゆっくり長めの呼吸」で自律神経を落ち着かせ、入眠・再入眠を助ける
・1セット15秒(吸う7~8秒/吐く7~8秒)を4回、合計約1分。腹式呼吸で肩の力を抜く
・苦しければ秒数を短くし、吐く息を吸う息より同等かやや長く
・スマホのタイマーは使わず、暗い環境で静かに実施
・1~2分で眠気が来なければ無理をせず、いったん離床してから眠気とともに再入床