理想的には、平日も休日も毎日ほぼ同じ時刻に寝起きすることが、体内時計を整え、睡眠の質を高める近道です。
とはいえ、仕事や家庭の事情で平日と同じ時刻に寝起きするのが難しいこともあります。そんな時に役立つ考え方が 「睡眠中央時刻(mid‑sleep)」 です。
睡眠中央時刻とは?
就寝時刻と起床時刻のちょうど中間の時刻のこと。
例①:0:00に寝て 8:00に起きる → 中央は 4:00
例②:23:30に寝て 6:30に起きる → 7時間睡眠なので半分の3時間30分後、3:00が中央
体内時計は、この「中央」の位置づけに大きく影響を受けます。休日に睡眠時間を増やしたい場合でも、睡眠中央時刻を平日とできるだけ揃えると、いわゆる社会的時差ぼけを起こしにくくなります。
■よくある落とし穴
「寝だめ」は“前払い”できない:休日にたくさん寝ても将来の分を貯金はできません。行っているのは平日に生じた睡眠負債の返済です。
夜更かし+大幅な寝坊:中央時刻が後ろへずれ、月曜の入眠困難・朝のだるさを招きやすくなります。
一気に取り戻そうとする:極端な長寝はかえって体内時計を乱し、翌日のリズムが崩れます。
■崩れた時の戻し方
・起床時刻は平日基準で固定(±30~60分以内)。
・朝の光を浴びる(起床直後~1時間以内に屋外で5~20分)。
・夜は照明を落とし、画面は最小限。
・就寝を毎日30~60分ずつ前倒し(無理に早すぎる就床は避ける)。
・昼寝は短く(15~20分、14時まで)。
■ポイント
・睡眠中央時刻=就寝と起床の中間。ここを平日と揃えると、休日に長く寝てもリズムが崩れにくい。
・追加睡眠は**「就寝を前へ・起床を後ろへ」半々に(目安:中央のズレを±30~60分以内)。
・寝だめは貯金にならない(しているのは睡眠負債の返済)。長寝しすぎは体内時計を乱す。
・どうしても崩れたら、起床固定+就寝の段階的前倒しで48~72時間かけて立て直す。
・スマホの就寝リマインダー/ナイトモード等を使い、就寝前1~2時間は光と刺激を減らす。