忙しさや人間関係の負荷が続くと、心は警戒モードに偏りがちです。大切なのは、悪化する前に“今できる”小さな介入で自律神経のバランスを戻すこと。おすすめは〈呼吸・姿勢・言葉〉の3スイッチです。
まず呼吸。3分間、吸う:4、吐く:6の比率で、吐く息をやや長めに。ゆっくりした呼吸は迷走神経を介して体のブレーキを踏み、鼓動と気持ちを落ち着かせます。静かに続け、苦しさが出たら比率を緩めましょう。
次に姿勢。骨盤を立て、両足で床を捉え、みぞおちを軽く前へ。うつむきや猫背は不安や自己評価の低下につながりやすく、逆に上体を起こすだけで気分は引っぱられます。会議中や電車内でも、気づいたらすぐ整えてOKです。
三つ目は言葉。胸のざわつきに名前をつけ、短文でメモします。「私はいま、先延ばしの不安を感じている」。感情をラベル化すると脳の警報装置の過活動が弱まり、視野が広がります。メモできない場面では、心の中でそっとつぶやくだけでも十分。
仕上げに“1分アクション”。メールの件名だけ書く、資料のタイトルだけ決める――極小の着手が前進感を生み、反芻思考のループを断ちます。うまくいかない日は、3スイッチのどれか1つだけで十分。続けるほど、心の回復力は育ちます。