心のクリニック 医療コラム
2025年10月28日
【朝と夜で心が変わる?】1日のリズムに合わせたメンタル整え計画

「昼になると急に不安が強まる」「夕方にどっと疲れて何もできない」。体のリズム(概日リズム)とストレス反応の波に、心は意外と左右されます。ポイントは“時間帯に合ったケア”を組み合わせること。無理なく続く小さな習慣を、朝・昼・夜の3ブロックで設計してみましょう。

【朝】起きて90分のゴールデンタイム
目覚めたらカーテンを開け、外光を浴びます。数分でOK。体内時計が前に進み、夜の眠りも整います。続いてコップ1杯の水、ゆっくりの鼻呼吸、3分の伸び。予定が重い日は、今日やらないことを1つ先に決める「逆ToDo」を。完璧主義の暴走を抑え、午前の集中を守れます。朝食はたんぱく質と食物繊維を一皿に。血糖の乱高下を抑えて心の安定に寄与します。

【昼】不安の波に“名前をつける”
正午から午後にかけて、思考が速くなり不安が増える方もいます。そんな時は「いま心は◯◯を心配している」と10〜20字でメモ。感情と言葉を結び、脳の警戒を静めます。合わせて5分の“マイクロ散歩”。信号2つ分でも十分で、歩くリズムが自律神経を整えます。カフェインは昼過ぎまでに。会議前は「要点3つメモ」を作り、話す順番を決めておくと緊張が下がります。伝える時は、結論→理由→依頼の3ステップで。

【夕方〜夜】緊張を“からだ”から抜く
退勤直前は、肩甲骨と股関節をほぐす動きを各30秒。帰宅後は“情報断食”を30〜60分。光とニュースの刺激を避けます。入浴は就寝90分前までに。湯上がりの体温下降が眠気を連れてきます。布団に入ってからは、ゆっくり5呼吸だけを数える“呼吸札”で雑念に区切りを。寝付けない日は、温かいノンカフェイン飲料で一息つき、暗い部屋で静かな音を流して再挑戦を。

【週単位の整え方】予備日・予備案を持つ
「予定通りにいかない週」も前提に入れます。午前の散歩が無理なら帰宅時に1駅分歩く、夜の情報断食が難しい日はテレビは消さずに音量だけ半分にする、など“代替プラン”を事前に決めておくのがコツです。日曜夜には1週間を3行で振り返り、来週の最初の1歩だけを決めます。

【腸と心のつながり】“朝の一皿”の再設計
腸は心の安定と関係します。朝にヨーグルトや味噌汁、果物や全粒の主食を少し足すだけでも、日中のガス欠感が減る方がいます。水分はこまめに。夕食は腹八分を目標に、就寝2〜3時間前までに済ませましょう。

【続けるコツ】仕組みで楽をする
習慣は環境で決まります。朝の水は枕元に、散歩ルートは先に決め、夜の情報断食はタイマーで自動化。できた日はカレンダーに○、できない日は/。連続○が3日で合格。完璧を狙わず翌日にリセットしましょう。

最後に――調子が大きく揺れる、眠れない、仕事や学業に支障が出ているなどの際は、専門家の評価と治療が早道です。