朝起きた瞬間から夜眠るまで、気分や集中力はゆるやかに波打ちます。大きく変えようとすると続きませんが、「朝・昼・夜」に一つずつ小さな習慣を置くと、心の土台が安定します。ポイントは、頑張りすぎず、再現しやすく、効果が体感しやすいことです。
【朝】呼吸・光・一口の水
起床後は難しいことをせず、①鼻から4秒吸って6秒吐く呼吸を3回、②カーテンを開けて自然光または室内灯を浴びる、③常温の水を一口、の3点だけ。呼吸は交感神経の過緊張をほどき、光は体内時計を揃え、少量の水は脱水気味の朝の頭の重さを軽くします。ここまでで1分。できたらカレンダーに「○」を付け、達成感を見える化しましょう。
【出勤前~午前】やることは3つまで
朝の気力は貴重です。ToDoを「今日の上位3つ」に圧縮し、最も軽い作業から着手します。「勢い」を先に作ると、脳の報酬系が働き、次の一歩が出やすくなります。資料を開く、メールの件名だけ並べ替える、といった“助走”で構いません。
【昼】休み方を予定に入れる
昼休みはスマホで埋めるより、①席を立って2分歩く、②肩と首をゆっくり回す、③目を閉じて10呼吸、の「回復セット」を先に確保。食事はよく噛み、カフェインは午後早めに。午後の眠気は自然な反応なので、戦うより“通り過ぎさせる”工夫が有効です。
【午後の作業】25分+短い休憩
集中は有限資源です。タイマーで25分だけ区切り、終わったら立ち上がって30~60秒、肩をすくめて脱力する「リセット動作」を。うまくいかない日は、机を整える・ファイル名をそろえるなど“環境整理タスク”でリズムを取り戻します。
【夕方】モヤモヤの言語化
一日の終わりは、頭の中の“未完了”をメモに出します。①今日できたことを一つ、②気がかりを一つ、③その気がかりの「次の最小ステップ」を一行。例)「資料が重い→“見出しだけ並べる”を明日10時に」。言葉に変えるだけで、脳の警報音は和らぎます。
【夜】眠りの“入口”を整える
就寝90分前に湯船で体を温め、出た後は強い光と濃い情報を避けます。寝床では“眠ろうとしない”ことがコツ。眠気が来ない時は、いったんベッドを出て照明を落とし、紙の本や穏やかな音楽に切り替え、再び眠気が戻るのを待ちましょう。
【週末】自分へのフィードバック
週末に5分だけ振り返り。「続いた習慣は何か」「来週はどれを“半分の量”にするか」を決めます。継続の秘訣は、やる気ではなく“負荷の微調整”。できた証拠をカレンダーで可視化し、小さな達成を“集める”感覚を育ててください。
【困ったときの合図】
・朝から胸苦しさや絶望感が続く
・眠りや食欲の乱れが2週間以上続く
・仕事や学業、家庭に支障が出ている
こうしたサインがあれば、無理をせず専門家に相談しましょう。生活の工夫と医療的支援を併用することで、改善までの道のりは短くなります。