仕事がつらいのに「まだ頑張れる」と踏ん張り続けると、ある日ふっと糸が切れます。早めにブレーキをかけるために、次の“三つのサイン”を目安にしてみてください。(1)寝ても疲れが抜けず、出勤前の動悸や吐き気が続く。(2)集中が切れてミスが増える。(3)小さな刺激で涙・怒り・無感覚のどれかに偏る。三つとも当てはまる場合は、いったん立ち止まるサインです。
まず「今の自分を守る宣言」をします。上司や人事に、体調不良で業務量の調整・一時的な在宅・休職検討を伝える。言いづらい時は、短いメモで構いません。「業務継続が困難。医療機関を受診し、復帰プランは追って相談します」。目的は“責めること”ではなく“負荷を下げること”です。
次に睡眠と生活リズムの再起動。起床時刻を固定し、朝の短い散歩で光を浴び、カフェインは昼まで。スマホは寝室から追い出し、布団では“寝る以外をしない”。この地味な工程が、感情の波を小さくします。
感情の整理には、1日5分のノートが有効です。「出来たこと」「助かったこと」「いまの気分の名前」の三行だけ。書く行為は頭の渋滞をほどき、自己批判のボリュームを下げます。職場の関係が負担なら、伝え方も工夫を。要求は一つに絞り、「いつ・何を・どのくらい」を具体化する。相手の意図を決めつけず、事実と言葉を短く返すだけで衝突は減ります。
休職が必要になったら、医療機関で診断書を受け取り、会社の制度を確認。復帰は“短距離走”ではなく“段階的ウォームアップ”です。最初は時間や業務を限定し、週ごとに“負担×回復”のバランスを点検。再発予防の鍵は、働き方そのものを微調整し続ける柔軟さにあります。