心のクリニック 医療コラム
2025年9月27日
「休む力」と「戻る力」を同時に育てる3ステップ

仕事や家庭の緊張が続くと、心は静かにSOSを出します。大切なのは「完璧に耐える」ことではなく、悪化する前に休む決断をし、同時に“戻る力”を少しずつ準備すること。今日は、そのための3ステップをご提案します。

【ステップ1:体の土台を整える】
起床時刻を毎日そろえ、朝は窓辺で光を浴びましょう。午後のカフェインは控えめにし、就寝90分前の入浴で体温リズムを整えます。朝の短い散歩は体内時計の再設定に役立ちます。食事は発酵食品や食物繊維を意識し、よく噛むこと。浅い呼吸は不安を助長します。4秒吸って6秒吐くゆっくり呼吸で自律神経を整えましょう。

【ステップ2:気持ちを言葉にする】
不調のサインを「眠れない/集中が切れる/胸がざわつく」など具体語で記録。夜は3行日誌(今日できた小さなこと/感謝できること/明日の一歩)で、自己批判より“前進感”を積み上げます。タスクは「やるべき」より「できる」へ──ToDoよりCanDoリストに。情報疲れを避けるため、睡眠前のSNSは閉じる習慣を。

【ステップ3:人とのつながりを整える】
頼みごとは「私はこう感じている」「こうしてもらえると助かる」という一人称の伝え方で。相手の言葉を要約して確認する“聞く姿勢”が衝突を減らします。雑談は「天気→近況→感謝」の順に入口を作ると安心です。助けを求めるときの定型文は「今は〇〇が難しく、△△の手助けが必要です。××日までお願いできますか?」と具体化しましょう。

【休職と復帰のコツ】
休職中は「朝型の生活+週ごとの活動量アップ」を目安に。通勤練習や短時間就労から段階的に戻り、業務内容は上司と“できる範囲の合意”を文書化すると再発予防になります。主治医やカウンセラーと目標を共有し、無理のない調整を重ねましょう。

ひとりで抱え込まず、専門家に早めの相談を。