心のクリニック 医療コラム
2026年1月4日
■頭の中が騒がしいときの「グラウンディング」――不安とストレスを整える視点

不安が強い日ほど、考えが止まらず、身体も落ち着かない感覚が出やすくなります。心拍が上がる、肩がこわばる、胃が重い、息が浅い。こうした反応は、自律神経が緊張モードに傾いた結果として起こります。その状態では、思考が危険予測に引っぱられ、頭の中がさらに騒がしくなることがあります。

「考えがぐるぐる」すると起こりやすいこと
強いストレス下では、注意が内側(心配・後悔・最悪の想定)に固定されやすくなります。すると、現実の情報より「頭の中のストーリー」が優位になり、身体感覚の違和感も増幅されやすいと言われます。ここで大切なのは、内容の正しさを議論するより先に、“今の自分は緊張状態にいる”と把握することです。

グラウンディングという考え方
グラウンディングは、注意を「今ここ」の感覚情報へ戻す枠組みです。臨床では、呼吸・足裏の感覚・周囲の音や視覚情報に意識を向ける方法が用いられます。たとえば、床に接している足の重み、椅子に触れている背中の面、部屋で見える形や色を静かに数える、などです。思考を消すのではなく、注意の置き場所を切り替える発想です。

「戻ってしまう」ことの意味
疲労や睡眠不足がある日は、気づけばまた心配に戻ることもあります。それ自体は失敗ではなく、注意が自動で戻る性質があるだけです。繰り返し起こるほど、ストレス反応が強いサインとして受け止めやすくなります。