心のクリニック 医療コラム
2026年1月13日
■ぐるぐる考えてしまう「反すう」と心の疲れ

反すうとは何か
同じ出来事や不安を、頭の中で何度も再生してしまう状態を「反すう」と呼びます。失敗の場面が繰り返し浮かんだり、将来の心配が止まらなかったりして、気分の落ち込みや緊張が長引きやすくなります。「考えれば整理できるはず」と思っても、結論が出ないまま時間だけが過ぎ、疲労感が強まることもあります。

不安・抑うつと結びつきやすい理由
反すうが続くと、注意が“心配の材料”へ偏り、身体の反応も過敏になりがちです。不眠、食欲低下、集中力の低下、動悸や胃腸の不調などが重なると、生活の余裕がさらに小さく感じられます。ストレスが強い時期、完璧主義が強いとき、対人トラブルの直後などに目立つことがあります。

「問題解決の思考」との違い
考えること自体が悪いわけではありません。期限や選択肢が整理でき、次の行動が見えてくる思考は役立ちます。一方で反すうは、同じ結論を反復しやすく、睡眠前や移動中など“休むはずの時間”まで占領しやすいのが特徴です。

距離を取る視点
認知行動療法やマインドフルネス、ACTでは、「考え=事実」と決めつけず、思考を“出来事”として眺める捉え方を扱います。頭の中に浮かぶ言葉をそのまま現実と結びつけない視点が、気分の波や身体の緊張を和らげる助けになることがあります。