心のクリニック 医療コラム
2025年12月28日
■「決めること」が多いほど疲れる――意思決定疲れとメンタルの関係

仕事・家事・育児で選ぶことが続くと、気持ちの余裕が急に減ったように感じることがあります。特に予定の調整や連絡が増える時期は、頭が休まらず「小さな判断の渋滞」が起きやすくなります。日吉周辺の心療内科・精神科(メンタルクリニック)の相談でも、「些細なことでイライラする」「不安が強まる」「夜に考えが止まらない」といった訴えの背景に、“決め続ける疲れ”が隠れていることがあります。

意思決定疲れとは
人の脳は、選択や判断を重ねるほどエネルギーを使います。大きな決断だけでなく、返信の文面、夕食の献立、予定の調整などの小さな判断も積み重なり、集中力や注意が散りやすくなります。ミスが増えたり、先の見通しが立てにくくなったりして、「自分はだめだ」と自己評価まで下がることもあります。

体と心に出やすいサイン
意思決定疲れは「やる気の問題」ではなく、疲労反応として表れます。頭が重い、判断が遅い、肩や胃がこわばる、甘い物やスマホに引き寄せられる、寝つきが悪い、朝から消耗感がある――こうした変化が続くと、ストレスや不安、睡眠の質の低下が連鎖しやすくなります。

相談につながる視点
休んでも回復しない、仕事の能率が落ちる、気分の波が大きいなどが続く場合は、背景にうつ状態や不安障害、適応の問題が重なっていることもあります。睡眠や食欲の変化を伴うときは、早めの評価が役立つことがあります。症状の整理と負担の見立てを行うことで、必要な支援が見えやすくなります。