心のクリニック 医療コラム
2026年1月12日
■「ため息」は悪者じゃない:呼吸で整う休息スイッチ

ため息が出るのは、脳と体の自然な調整
緊張や集中が続くと、胸の奥が詰まる感じがして、思わず「はぁ…」と息が漏れることがあります。これは失敗や落胆のサインというより、呼吸の偏り(浅い呼吸が続く、息を止めがちになる)を戻そうとする反応の一つと考えられます。実際、短く2回吸ってから長く吐くような呼吸が混ざることがあり、換気を助ける動きとして説明されます。呼吸は自律神経とつながっており、リズムが崩れると、動悸・肩こり・眠りの浅さなど「ストレスが体に出る」形になりやすい点が知られています。

息を長く吐くと、身体が“ブレーキ”に触れやすい
一般に、吸う息は活動のスイッチ、吐く息は休息のスイッチに寄りやすいと言われます。忙しい時ほど吸う量ばかり増え、吐き切れずに胸が膨らんだままになりがちです。吐く時間が伸びるほど心拍の揺らぎ(心拍変動)が増える可能性が示され、落ち着きとの関連が議論されています。吐く息が短い状態が続くと、頭の回転は速いのに疲れが抜けない、夜に考えが止まらない、といった「脳疲労」感につながりやすくなります。

“呼吸を整える”は睡眠の土台づくり
寝つきが悪い、途中で目が覚める、朝にだるさが残る――不眠は原因が一つに絞れないことが多い一方、日中の緊張が強いほど夜の睡眠の質に影響しやすい面があります。呼吸は道具も費用も不要で、体調の波がある人でも取り入れやすいセルフケアとして注目されています。睡眠・休息・ストレス対策を考える際、呼吸の「浅さ」「速さ」に気づくことは、手がかりになり得ます。