頭の中で渦巻く心配ごとは、放っておくほど大きく見えます。コツは“見える化”。言葉にして外に出すと、感情の勢いが落ち、対処の順番が見えてきます。今日は、忙しい人でも続けやすい3ステップをご紹介します。
第一歩は「10分ノート」。タイマーをかけ、今の不安・体調・出来事を句読点も体裁も気にせず書き出します。途中で手が止まっても「止まった」と書けばOK。終わったら読み返さず閉じるのがポイントです。思考を整理するというより、脳内に溜まった“言語化されない刺激”を排出するイメージで行いましょう。
次に「ラベリング+Iメッセージ」。感情に名前をつけ(例:不安・苛立ち・疲労)、相手に伝えるときは「私は〜と感じる/〜が必要だ」と主語を自分に置きます。「あなたは遅い」より「私は締切が近く焦っている。18時までに下書きが欲しい」の方が、衝突を減らし協力を得やすくなります。
三つ目は「課題メモ」で実務を整えること。①困りごと(具体的に)②生活・仕事への影響③試したこと④助けてほしいこと⑤次の一歩、の5項目で1枚に。上司・家族・医療者との相談がスムーズになり、同時に“今できる一手”が明確になります。睡眠や食事、運動などの基礎行動も、このメモの「次の一歩」に小さく入れておくと続きやすいものです。
うまくいかない日があっても気にしすぎないで。大切なのは完璧さではなく、言葉で“つかまえる”習慣そのものです。もし、2週間以上つらさが続く、仕事・学業・家庭生活に支障が出る、睡眠や食欲が大きく乱れるなどがあれば、早めに専門家へご相談ください。言葉はあなたの味方ですが、ときにプロの伴走が回復を加速します。