心のクリニック 医療コラム
2025年10月3日
朝の光・一定の起床時刻・涼しい寝室――“眠り→日中→夜”の好循環をつくる3ポイント

心が揺れやすい時期ほど、睡眠の乱れは日中の集中や気分の落ち込みに直結します。難しいテクニックより、毎日続けられる小さな工夫で「眠り→日中→夜」の循環を整えましょう。鍵は①朝の光②一定の起床時刻③寝室環境の三つです。

まず①朝の光。起床後に屋外の自然光を浴びると、体内時計が“今が朝だ”と認識し、夜の眠気(メラトニン)のスイッチが入りやすくなります。通勤前の短い散歩、窓際での朝食でもOK。曇天でも屋外の照度は室内より十分高く、効果が期待できます。

②は一定の起床時刻。平日と休日で起きる時間が大きくずれると、体内時計は毎週時差ボケ状態に。まずは「何時に寝るか」より「何時に起きるか」を固定するのが近道です。眠れない夜があっても、翌朝の起床は同じ時刻に。昼間の眠気は短時間の仮眠(20分以内)で補うと、夜の眠りを邪魔しにくくなります。

③は寝室環境。寝床は“洞窟”のように、暗く・静かで・やや涼しく。エアコンの設定は少し低めにし、タイマーや除湿を併用して快適な体感に。就寝前は明るい照明や刺激的なコンテンツから距離を取り、スマホは「夜モード」や別室充電で“触れにくい”環境を作りましょう。寝る直前の激しい運動や長風呂は体温を上げすぎて寝つきを悪くすることがあるため、就寝2〜3時間前までに済ませるのが安心です。

うまくいかない日があっても大丈夫。大切なのは“毎日少しずつ”を積み重ねること。朝の光を浴び、同じ時刻に起き、寝室を整える——この三つがかみ合うと、日中の集中、夕方の疲労回復、夜の入眠が互いに支え合う循環が育ちます。気分の波や仕事のストレスで睡眠が崩れている方は、今日からできる部分だけ取り入れてみてください。