休職からの復帰は、ゴールではなく再スタートです。仕事量や人間関係の負荷が戻る前に、心身の土台を小さく確実に積み直す1週間を用意しましょう。以下は通院・服薬・休養を前提に、翌週からの勤務に滑らかに入るための実践プランです。
まず起床時刻を毎日そろえること。寝坊で整わないのは「寝つき」より「起きる時間」のばらつきです。朝はカーテンを開け、10~30分の屋外光を浴びると体内時計が前向きに整います。ベッドで長居せず、20分眠れなければ一度起きる——これが夜の不眠の悪循環を断つ基本です。
次に「歩く」を固定予定に。会議や用事の合間で分割してもOK。週合計で中等度150分を目安に、気分・睡眠・集中の質がじわりと改善します。屋外で歩けば朝光と気分転換を同時に確保できます。
食事は“腸に優しい”を合言葉に。発酵食品、食物繊維、魚・豆類などを一食ずつ足していきましょう。胃腸が落ち着くと不安や気分も波立ちにくくなります。
人間関係の準備は「Iメッセージ」で。復帰初日の自己紹介や配慮のお願いは、「私にはこう役立つ」を主語に短く具体的に。例)「午前は集中しやすいので会議は午後にしてもらえると助かります」。
仕事の練習は“段階付け”。①通勤の模擬ルート ②半日相当の活動量 ③職場メール整理の予行演習——の順で、体力と注意を慣らします。
最後に、主治医・産業医・職場の三者で「開始条件」「配慮事項」「困った時の連絡先」を紙1枚に。迷ったらここへ戻る、という拠り所が疲労の再燃を防ぎます。
復職準備は「頑張る」より「整える」。うまくいかない日があっても計画はそのまま、歩幅だけ小さく。専門家の伴走を得ながら、あなたのペースで再スタートを切りましょう。