心身の不調で立ち止まったあとの目標は、「元に戻る」ではなく「より続けられる働き方に組み替える」ことです。安全に復帰するコツは、主治医・産業医・職場で復帰条件(時間・業務量・配慮事項)をすり合わせ、段階的に負荷を上げること。最初の1〜2週は短時間・単純業務から入り、週ごとに勤務時間や責任範囲を少しずつ広げると再発予防になります。
土台づくりの中心は睡眠です。起床時刻を固定し、起きたらまずカーテンを開けて光を浴び、朝食をとる。夜は照明を落としてスマホを寝室に持ち込まない。寝つきが悪い日は「眠ろうと頑張らない」姿勢も大切で、30分以上眠れなければ一度ベッドを出て、静かな読書などで眠気を待ちましょう。
気分の安定には腸と脳の連携も影響します。朝食にタンパク質、発酵食品、食物繊維を少し足すだけでも、日中のエネルギー持続やイライラの軽減に役立ちます。完璧を目指さず、「平日3日できたら合格」という基準で続けるのがコツです。
人間関係の負荷を下げるには、アサーティブ(自他を尊重する伝え方)が有効です。事実→気持ち→要望の順に、「私は〜と感じています」「〜していただけると助かります」とIメッセージで伝えると、衝突が減りやすくなります。会議前に要点を3行でメモしておくと、落ち着いて話せます。
最後に、毎晩1行だけ「今日の感謝メモ」を。小さな達成や助けられたことを書き留めると、自己評価の土台が育ち、翌日の一歩が軽くなります。うまくいかない日があって当然。回復の歩幅は人それぞれです。つまずいたら、また一緒に整えていきましょう。