平日6時間以下の睡眠が続くと、脳のパフォーマンスは丸2日徹夜に近づき、集中・判断・記憶が低下します。まず意識したいのは「量の確保」。成人の推奨は7〜9時間。足りないと感じたら、30分早寝を4日続け、日中の眠気・作業効率・気分の変化をメモしましょう。
次に「毎日同じ時刻に寝起き」。週末の“寝だめ”は体内時計を乱し、月曜の不調(社会的時差ぼけ)を招きます。起床時刻のズレは最大でも1時間以内が目安。どうしても休日に長く寝たい時は、就寝を1時間早め、起床を1時間遅らせて“睡眠中央時刻”を揃えるのがコツです。最後に「環境の整備」。寝室は暗く静かで少し涼しく。理想は夏24℃・冬20℃、湿度50〜60%。遮光カーテンやアイマスク、耳栓の活用も有効。就寝2〜3時間前から照明を落とし、スクリーンは見ないかナイトモードに。入浴は40℃前後で10〜15分、寝る90分前までに済ませると深部体温の下降が促され、自然な入眠につながります。カフェインは就寝6〜8時間前まで、アルコールは眠りを浅くするため控えめに。布団に入って20分眠れない時は一度起き、暗めの部屋で退屈な読書やストレッチを。眠気が来たら再入床します。時計を何度も見ると緊張が高まり入眠が遠のくため、夜間は時計を伏せるのがおすすめ。
睡眠効率(ベッドにいた時間に対する実際に眠っていた時間)は85%以上を目標に、長く横になり過ぎて“寝床滞在”が伸びないようにしましょう。午後の強い眠気には14時までの15〜30分パワーナップを。夕方以降のうたた寝は夜の睡眠を浅くします。日中は60〜90分ごとに立ち上がって体を動かすだけでも、夜の眠気(睡眠圧)が高まりやすくなります。
これらの小さな工夫をまずは3週間。体調や気分、作業効率の変化を記録すると効果が実感しやすく、継続の動機づけにもつながります。生活改善だけでは難しい強い不眠や中途覚醒が長く続く場合には、専門家に相談してください。