心のクリニック 医療コラム
2025年7月27日
18時以降の過ごし方~入眠に向けて~

1) 食事のタイミングと内容
就寝前の食事は、睡眠の質に直結します。
目安は「就寝の4時間前までに食事を終える」。遅い時間や重たい食事は、胃腸が活発に働いて深部体温が上がり、眠りが浅くなりがちです。夜間の高血糖は成長ホルモンの分泌を妨げ、結果として睡眠の質を下げます。
・どうしても遅くなる日は、消化の良い軽めの内容(汁物、白身魚・豆腐、温野菜、お粥など)にする
・揚げ物・大盛り・辛味強め・就寝直前のデザートは控える
・就寝2~3時間前に小腹が空いたら、温かいノンカフェイン飲料、少量のバナナやヨーグルトなどで調整

2) カフェイン・ニコチン・アルコール
入眠を妨げ、途中覚醒を増やす代表格です。
・カフェインは就寝6~8時間前まで(コーヒー、緑茶、エナジードリンク、カカオ系も含む)
・喫煙は覚醒作用が強く、就寝前は避ける
・アルコールは寝つきを早めても、夜間の眠りを浅くし、早朝覚醒の一因に
代替案:ハーブティー(カモミール等)、麦茶、ホットミルク(体質に合う場合)

3) 光とデバイスの整え
就寝2時間前からは、照明と画面の刺激を落とすのがコツです。
・室内は間接照明や電球色中心に、明るさを下げる
・パソコン・スマホは「ナイトモード」「画面の時間制限」を活用し、顔から離して短時間に
・間接照明がない場合は、部屋の照明を消して廊下や隣室の明かりを利用する

4) 入浴・運動・リラックス
就寝直前の熱い入浴・サウナ・激しい運動は、交感神経を高めて寝つきを悪くします。
・入浴は就寝の2時間前に済ませる。
・入浴後は自然な体温低下が起こり、約90-120分後に眠気が出やすくなる
・ストレッチ、軽い呼吸法、読書(紙・青色光の少ない端末)が有効
・就寝直前の激しい筋トレや高強度有酸素は避ける

5) 18時以降のモデルスケジュール(例)
・18:30 夕食(遅い日は軽め)
・20:30 入浴(就寝90~120分前)
・21:00 穏やかな時間(照明を落とす、ストレッチ、会話、音楽)
・21:30 デバイスは必要最小限、ナイトモードに
・22:30 就床(眠気が来てから)

■よくあるつまずきと対策
・夕食が遅くなりがち  → 主菜・副菜を小分けにし、主食量を控えめにして消化負担を軽く
・帰宅後にだらだら間食 → 温かい飲み物で“口寂しさ”を置き換え、歯磨きで終了合図
・入浴が遅れる     → シャワーだけで済ませるより、短時間でも湯に浸かる方が体温リズムは整いやすい
・ベッドで長時間スマホ → 充電器を寝室外に置き、目覚まし時計を別途用意

■ポイント
・就寝の4時間前までに食事を終える。遅くなる日は軽め・消化の良い内容に
・カフェインは就寝6~8時間前まで、喫煙と就寝前の飲酒は入眠・睡眠の質を下げる
・就寝2時間前から減光し、デバイスはナイトモードと時間制限で刺激を減らす
・入浴は就寝1~2時間前のぬるめ。直前の熱い入浴・サウナ・激しい運動は避ける
・迷ったら「温かい飲み物」「短いストレッチ」「静かな時間」に切り替える