心のクリニック 医療コラム
2026年2月4日
■感情に名前をつけると、心が少し整理される理由

1.「モヤモヤ」は脳にとって負荷が高い
不安・焦り・怒り・悲しみが混ざった状態は、頭の中で処理が渋滞しやすく、集中力や判断力が落ちたり、眠りが浅く感じたりしがちです。ストレス反応が続くと、身体の緊張が背景で長引くこともあります。気分が落ち込む時ほど「何がつらいのか」が曖昧になり、さらに疲れやすい悪循環が起きます。

2.言葉にすると「距離」が生まれる
感情を短い言葉で表す行為は感情ラベリングと呼ばれます。出来事そのものではなく、今起きている心の反応を言語化することで、感情に飲み込まれにくくなり、考えを整える土台になります。例えば「不安」「緊張」「悔しさ」「罪悪感」「疲労感」など、単語レベルで十分です。

3.反すうを“情報”として扱えるようになる
同じ考えがぐるぐる回る反すうは、止めようとしても止まりにくいのが特徴です。ラベリングは、反すうを「今、反すうが起きている」という出来事として捉え直す助けになります。認知行動療法やマインドフルネスで重視される「思考と自分を切り分ける視点」とも相性がよく、心身の過覚醒を説明する言葉としても役立ちます。

4.対人ストレスは“感情+境界線”で理解しやすい
職場や家庭のしんどさは、相手の言動だけでなく「自分が何を大事にしているか(境界線)」と結びついています。感情の種類が見えると、無理を重ねている場面や、言いづらさの背景も把握しやすくなります。