心のクリニック 医療コラム
2025年12月19日
■疲れをためない「境界線」づくり——断る力は休息の一部

休めない原因は「時間」より「引き受けすぎ」
仕事や家事が続くと、体は休んでいるのに気持ちが休まらないことがあります。背景に多いのが、頼まれると反射的に引き受けてしまう癖。予定が埋まるほど睡眠や食事が乱れ、ストレス反応が長引きやすくなります。

境界線は「相手を遠ざける壁」ではなく「自分を守る線」
境界線(バウンダリー)は、相手を否定するためではなく、自分の体力・集中・回復を守るためのルールです。線が曖昧だと、気づかぬうちに負荷が積み上がり、燃え尽き感や気分の落ち込みにつながります。逆に、線が引けると「自分で選べている感覚」が戻り、気持ちが安定しやすくなります。

今日から使える、角が立ちにくい断り方
ポイントは短く、具体的に、代替案を添えること。
・「今週は余裕がなくて難しいです。来週なら10分だけなら可能です」
・「急ぎは対応できません。期限を◯日にしてもらえますか」
・「手伝いたい気持ちはありますが、今回は見送ります」
言いづらい時は、言う前に3呼吸して肩の力を抜き、次の型で返すと迷いにくくなります。
事実(いまの状況)→気持ち(負荷)→要望(できる範囲)

それでも苦しい時は専門家へ
断れない背景に、不安の強さ、完璧主義、対人ストレス、睡眠不足が隠れていることがあります。日吉心のクリニックは、日吉駅徒歩1分の精神科・心療内科です。WEB予約で受診しやすく、必要に応じてカウンセリングも含めた支援をご提案します。つらさが続くときは、お早めにご相談ください。