「注意の切り替え」が増えると疲れやすい
仕事の合間にメール、移動中にSNS、夜は動画…。こうした細かな切り替えが続くと、脳は「いま何をしていたか」を戻す作業を何度も行い、集中力が消耗しやすくなります。いわゆるマルチタスクは効率的に見えても、実際は“切り替えコスト”が積み重なり、ミスや先延ばし、自己否定感の引き金になることもあります。結果としてイライラ、不安、頭の重さが出やすく、ストレス反応や自律神経の乱れにもつながります。
眠りの質を下げる“見えない刺激”
就寝前の画面の光だけでなく、「返信しなきゃ」「見逃したら困る」といった緊張が残ることも不眠の一因になります。情報が途切れなく流れる環境では、脳が安心して“オフ”に切り替わりにくく、寝床に入っても思考が回り続ける感覚が起こりがちです。睡眠不足が続くと、気分の落ち込みや焦りが強まり、さらにスマホに逃げる――という悪循環も見られます。デジタルデトックスという言葉が注目される背景には、こうした負荷の増え方があります。
距離の取り方は治療や心理支援でも扱える
マインドフルネスや認知行動療法では、思考や感情を客観視し、反応のパターンを整理します。デジタル疲労が背景にある場合も、生活習慣の特徴(時間帯、目的、使い方)を言語化していくことで、負荷が増えるポイントが見えやすくなります。仕事や対人関係のストレスと重なっているときは、休息の取り方自体が難しくなるため、整理の順番を一緒に考えることが大切です。