心のクリニック 医療コラム
2025年11月7日
月曜を軽くする「週末リセット5か条」——心と体の“回復貯金”をつくる

忙しい一週間の終わりは、心身が細かくすり減っています。ここで回復のスイッチを入れられるかどうかで、月曜の重さが変わります。特別な道具はいりません。週末の過ごし方を「回復貯金」という発想で少しだけ整えてみましょう。

1つ目は、睡眠リズムの乱高下を防ぐこと。起床・就寝のズレはできれば±1時間に収めます。寝だめよりも「同じ時刻に起き、日中に少し動く」ほうが、翌週の集中力と気分の安定につながります。

2つ目は、朝の光と短い散歩。5〜10分で十分です。屋外の明るさは体内時計の調律に役立ち、ぼんやりした倦怠感をやわらげます。天気が悪い日は室内を明るくし、カーテンを早めに開けるだけでもOK。

3つ目は、予定の組み方。「核になる用事は1つ+楽しみ1つ」に絞ると、達成感と余白の両立ができます。大型ショッピングや家事を詰め込むと、達成しても疲労が勝ちやすいもの。“やらないことリスト”を同時に作るのもコツです。

4つ目は、生活環境の小さな整え直し。片づけ10分×2回(キッチンと机)で“視界のノイズ”を減らします。さらに日曜の夜に「月曜準備15分」。持ち物チェック、朝にやる3つの最小タスクを書き出し、服と靴をセット。翌朝の迷いを先回りで削ります。

5つ目は、デジタルの刺激を少しだけ絞ること。完全断ちは不要です。通知をまとめて受ける時間帯を決め、SNSの自動スクロールを止める。これだけで、週末後半の心のざわつきが静まります。

メンタル面の仕上げとして「3行ふり返り」を。①今週よかったこと②助けてもらったこと③来週ためしてみたい一つを、短い言葉で書くだけ。反省会ではなく、次へ進むための小さなメモです。気力がない日は、箇条書きで二行でも構いません。

うまくできない週があっても大丈夫。大切なのは“戻れる型”を持つことです。週末に回復貯金を少しでも積めれば、月曜の自分は確実に助かります。まずは今週、どれか一つだけ取り入れてみてください。

最後に、こうした整え方は症状の改善と並走させると効果的です。眠れない、気力が湧かない、不安が続く——そんなときは一人で抱え込まず、専門家にご相談ください。