朝に心拍が早く、頭の中で予定が渋滞していると、一日が重く始まります。気力に頼らず始動できる再起動ルーティンを、脳と体の流れに合わせて並べました。
①光を浴びる
起きたらカーテンを開け、天気が悪い日は室内灯を明るく。目からの光は体内時計を整え、日中の集中と夜の眠気に影響します。スマホより先に光。
②ぬるめの水分+塩ひとつまみ
睡眠中は脱水しがち。冷たすぎない水やお茶に塩を少し。血圧が気になる方は無理せず、みそ汁などでもOK。
③体温を1℃上げる動き
スクワット5回、肩回し10回、足首グルグルで十分。大きな筋肉を少し動かすだけで、眠気が和らぎスイッチが入ります。
④3つのマイクロタスク
歯磨き、ゴミ出し、机を拭くなど1分で終わる行動を紙に書き、できたら線で消す。小さな達成が不安固着をほぐします。朝のToDoは量より速度。
⑤言葉のリセット
反芻が始まったら紙に書き出し、最後に一文だけ事実ベースへ変換。例)「全部失敗する」→「A社への連絡が心配」。粗い不安を具体行動へ。
⑥夕方の着地を先に決める
朝のうちに、帰宅後の3手順を宣言。例)鍵を置く→シャワー→ストレッチ。終わり方が決まると選択疲れが減り、眠りの準備が進みます。
続かないときの工夫は二つ。環境を先に作る(カーテンの紐を手前、コップを枕元)、誰かと共有(朝の3タスクを宣言)。やらない日があってもOK、翌朝に再起動。
⑦朝食はタンパク質をひと口でも
食欲がない日はヨーグルトやチーズ、ゆで卵半分。血糖の乱高下を避けると午前の気分が安定。カフェインは起床後90分以降に。
⑧10分の屋外散歩
信号二つ分歩き、遠くを見る。呼吸が整い、気分が安定。屋外が難しければ廊下往復で代用。
⑨夜は「準備の就寝」
画面は就寝1時間前にオフ、湯船はぬるめで10分、照明は暖色。寝室の温度と布団を季節に合わせ、翌朝のコップとメモをセット。
週末の時刻は休日も±1時間。乱れた週は、光・水分・短い運動の三点だけに絞りリセット。
通勤や出社前のチェックには、持ち物3点(鍵・財布・ICカード)と心の3点(呼吸3回・肩を下げる・足裏を感じる)を。身体感覚へ注意を戻すと、先回り不安が少し遠のきます。復職中は、週ごとに「開始時刻」「休憩の入れ方」「帰宅後の回復行動」を段階的に上げ、無理のない弾みを作りましょう。
デジタル衛生も効果的です。通知を朝のルーティンが終わるまで止め、夜はベッドにスマホを持ち込まない。連絡はまとめて返す時間帯を決めると、気持ちの波がフラットになります。
最後に今日の自分へ一行の感謝。結果ではなく行動の過程をねぎらうと、明日の自分と和解できます。気持ちは揺れても手順は同じ。小さな同じを続ければ、朝の不安は静かに薄まります。