忙しい日々が続くと、眠りが浅くなり、気分もブレやすくなります。そこで提案したいのが、出社でも在宅でも続けやすい「朝のリセット」と「夜のオフ」をセットにした15分ルーティン。短時間でも軸が通ると、うつ・不安・適応障害の再燃予防や、休職・復職期の体調管理に大きな助けになります。
まずは朝の5分。起床後すぐにカーテンを開け、ベランダや玄関先で朝の光を浴びます。深呼吸を3回、ゆっくり背伸び。できれば外に出て数分だけ歩くと、体内時計が前に進み、日中の集中と夜の眠気が自然に整います。
次の5分は「腸を起こす」時間。常温の水を一杯、噛む回数を意識した朝食を少量でOK。ヨーグルトや味噌汁、果物など、普段の食事に一品だけ発酵食品や食物繊維を足すだけでも、ストレス耐性に関わる腸の動きが安定しやすくなります。
仕上げの5分は「今日の一歩」を言語化。メモに「やることを3つだけ」書き、最初の30秒で取りかかれる超小さな行動に分解します(例:資料フォルダを開く、メールの件名だけ打つ)。行動のハードルが下がると、先延ばしによる自己否定感が減り、気分の波をならせます。
日中の工夫も一つ。カフェインは昼過ぎまでに、甘い間食は小分けで。SNSの通知は仕事の区切りごとにまとめて確認。刺激の取りすぎは一時的な高揚を生む一方、夜の冴えや不安の増幅につながります。
夜は「オフ宣言」から。就寝90分前に照明を少し落とし、湯船につかるなら40℃前後で10〜15分。入浴後は自然な体温低下が眠気を呼び込みます。湯上がりにストレッチを数ポーズ、呼吸は4秒吸って6秒吐くペースで。
ベッドに入る前の“ひと区切り”も有効です。脳は完了より「保留」に反応しやすいもの。心配事はメモに出して「明日の自分に託す」箱をつくるイメージで枕元に置きます。考え続けない仕組みが、入眠を助けます。
アルコールは眠りの質を崩しやすいので、量とタイミングに注意。寝酒で「寝つき」は良くなっても、深い睡眠が削られ中途覚醒が増えます。どうしても飲む日は量を控え、就寝3時間前までに切り上げましょう。
休職・復職の方は、まずは「起きる時間」を固定するのが近道。通勤訓練の前段階として、朝の散歩を毎日同じ時刻に。体のリズムが先に整うと、心の回復も加速します。完璧を狙わず「7割できたら合格」で。
最後に、調子が落ちた日こそ“短いルーティン”でOKに。継続できる強度でリズムを守ることが、睡眠・気分・意欲の土台を支えます。