昼食後になると急に頭がぼんやりし、仕事の能率が落ちる――そんな「午後のスランプ」は、うつ・不安・適応障害の有無にかかわらず誰にでも起こります。背景には血糖値の急変動に加え、脳内の“幸せホルモン”セロトニンの分泌低下が関係しているといわれます。セロトニンが不足すると集中力が下がり、ストレスに過敏になりやすく、休職や復職後のパフォーマンスにも影響を及ぼすため、早めの対策が重要です。
◆朝の光で「分泌スイッチ」を入れる
体内時計は網膜が光を感じることでリセットされます。起床後1時間以内に5~15分、屋外で朝日を浴びるだけでセロトニン生成がスタート。これが午後まで持続する土台になります。曇りの日でも屋外の照度はオフィスの数倍。横浜・新横浜エリアなら駅から職場まで少し遠回りして歩くのもおすすめです。
◆リズム運動で“追い焚き”
午前中に軽いウォーキングや階段昇降を取り入れるとリズム刺激が脳幹を刺激し、セロトニンを追加分泌。昼休みに3分間だけ肩甲骨を大きく回すストレッチでも同様の効果が期待できます。
◆トリプトファン+ビタミンB6ランチ
セロトニンの材料となる必須アミノ酸トリプトファンは、サバ・鮭などの魚や納豆・豆腐に豊富。生成を助けるビタミンB6はバナナ・ピーマン・さつまいもに多く含まれます。彩り豊かな和定食や具だくさん味噌汁に置き換えるだけで、午後の眠気が軽減したという報告もあります。
◆15分“目を閉じる休息”で脳をクールダウン
完全に眠らなくても、目を閉じ深呼吸するだけで脳内の過剰なノルアドレナリンが沈静化し、セロトニンの働きが再び優位になります。イヤホンで穏やかな音楽を流しながら行うと、不安を感じやすい方でもリラックスしやすいでしょう。
◆夕方のリカバリーが翌日の鍵
仕事終わりに10~15分だけ早歩きをすると、日中に消耗したドーパミンとセロトニンが同時に補充され、睡眠の質が向上します。質の高い睡眠は翌日のストレス耐性を高め、長期的にはうつ病の再発予防にもつながります。
午後のパフォーマンス低下は単なる“眠気”ではなく、脳内化学物質のアンバランスが原因かもしれません。今回ご紹介したセロトニン・リセット術を生活に取り入れ、休職・復職後の仕事や学業、家事育児にも役立ててみてください。もし試しても集中力低下や強いストレスが続く場合は、専門家への相談が早期回復への近道です。