心のクリニック 医療コラム
2025年10月25日
【月〜日で整えるメンタル週間計画】仕事の負担を軽くし、休職や復職の不安を減らすコツ

月曜から金曜にかけての波に飲まれると、眠れない、朝起きられない、集中できないなどの不調が積み重なり、うつや適応障害の入り口に近づきます。ここでは、睡眠・セロトニン・ドーパミン・ストレス対策・人間関係の要素を一週間で循環させる方法をまとめます。

月曜:体内時計の再同期
通勤前に2〜10分でよいので朝の外光を浴び、背伸びと首肩の可動域をゆっくり広げます。朝食にタンパク質と炭水化物を少量ずつ。出社直後はメール整理のみの15分スプリントで負担の小さいタスクから始め、達成感でドーパミンを穏やかに引き出します。

火曜:集中の枠を固定
午前中に90分の単一課題枠を1つだけ確保。スマホは別部屋、通知はオフ。昼は10分歩行と水分補給。午後は会議をまとめて配置し、記録のテンプレートを流用して脳の無駄使いを防ぎます。

水曜:中日メンテナンス
睡眠負債を作らないため就寝時刻を前後15分以内に固定。夕方は軽い有酸素運動15〜20分。入浴は就寝の1〜2時間前に済ませ、深部体温の自然低下で眠気を誘導します。

木曜:対人ストレスの分解
「事実」「解釈」「感情」「願い」に分けてメモ。相手の性格を変えるより、期待値と合意の線引きを調整。言葉は短く、行動提案を1つ添えると議論が終わりやすくなります。

金曜:週のしめくくりレビュー
できたこと3つ、学び1つ、来週の最小一手1つをメモ。メールは長期案件のみ旗を付け、週内に終わらない作業は日程を明示して自分を責めない仕組みに。

土曜:回復とご褒美
午前は屋外散歩と日光、午後は趣味や友人との雑談などオキシトシンが出やすい予定を入れます。寝だめは1時間以内に留め、夜はカフェインを控えて睡眠を守る選択を。

日曜:不安の先取り
不安は「曖昧さ」と比例します。翌週の不確定事項を3つ選び、確認メールの下書きや資料の雛形など、5分で着手できる形にしておくと月曜朝の負荷が激減します。

うつ、不安、適応障害、睡眠の乱れは、毎日の小さな選択の合計で軽くできます。復職中や復職準備中の方は、負荷を段階的に上げる「強度の階段」を作り、できた日に丸、頑張れた日に三角、休んだ日に休の印だけを付ける簡易ログで自己評価を安定させましょう。

セルフケアだけで改善が乏しい、職場調整が難しい、休職や復職の判断で迷う場合は、専門家の支援が有効です。