仕事のストレスや人間関係の負荷が続くと、脳は常に“戦闘モード”になり、眠りの浅さや集中の途切れとして表れます。そこでおすすめしたいのが、朝と夜に各3分のミニ習慣を置く方法。うつ・不安・適応障害の予防や、休職・復職の準備にも役立ち、日中のエネルギーを安定させます。精神科・心療内科の視点でも取り入れやすい内容です。
〈朝:リズムを立て直す3分〉
①起床後すぐにカーテンを開け、ベランダや窓際で自然光を浴びます。外光は体内時計をリセットし、夜の眠気(メラトニン)のオン・オフを整えます。
②白湯や常温の水をコップ1杯。体温が上がり、活動スイッチが入ります。
③今日やることを3行で“言語化”します。抽象語ではなく具体的な行動に分解すると、脳は「実行シナリオ」を描きやすく、ドーパミンの過剰な上下動も抑えられます。
〈昼:ストレスを切る60秒〉
鼻から4秒吸って、6秒で吐く呼吸を5回。ゆっくり長く吐くことで自律神経が整い、仕事中のイライラや不安の波が下がります。会議前・移動中の“見えない休憩”として有効です。
〈夜:眠りの質を上げる3分〉
①就寝90分前に湯船や足湯で温め、上がった体温がゆるやかに下がるタイミングで入眠。
②照明を落とし、スマホの強い光を避けます。
③感謝できた出来事を3つ書き出す“終わりの儀式”。思考のループを止め、セロトニン系の安定に寄与します。
〈週末:1週間の整え〉
メモ帳かカレンダーに、睡眠時間、気分の波、仕事量、対人ストレスを10点満点で簡易記録します。認知行動療法でいう“セルフモニタリング”の要領です。数字で見える化すると、原因のない不調はほとんどなく、対策の優先順位(休息・依頼・調整)が決めやすくなります。
〈食事と運動のひと工夫〉
朝はたんぱく質を含む軽食、昼は腹八分、夜は寝る4時間前までに。腸が落ち着くと自律神経が整い、入眠もスムーズです。日中は20〜30分の早歩きや階段利用で十分。軽い有酸素運動は不安の軽減と気分の持ち直しに寄与します。カフェインは午後遅くに控えめにして、就寝前の飲酒は控えめに。
〈こんなサインは要相談〉
朝の動けなさが2週間以上続く、食欲や体重が大きく変化する、ミスが増える、対人場面が怖い、パニック発作や不眠が続く――こうした状態は、うつ・不安障害・適応障害・睡眠障害などのシグナルかもしれません。早めに専門医へ。カウンセリングや薬物療法、職場との調整、休職・復職の手続きを含め、段階的な支援で立て直しが可能です。